2021年04月14日(水曜日) 11:47 新型コロナ

ワクチンを打ってもマスクは必要!
コロナ対策を終える4つのシナリオ

3月26日と27日、神戸大学の研究グループが主催するオンラインのワークショップの司会を藤岡キャスターが担当しました。

神戸大学の教授や起業家などが、未来の防災・減災、ESG投資や持続可能な開発目標をテーマに議論。コロナ対策の終わり方についての座談会もあり、神戸大学医学部附属病院 感染症内科大路剛准教授が講演しました。

(神戸大学医学部附属病院 感染症内科 大路剛准教授)
医療のひっ迫を防ぐと言われていますけど、現場でかなり診ている立場からすると、実は病院に来てもダメな人はダメということが非常に他の病気と結構違うというところなんですね。
もちろんこれによって他の病気が診られないという意味では医療ひっ迫もあるんですけど、診療施設がいっぱいあったらかかっても大丈夫という病気じゃないというのが1番大きな問題かなと思います。

病状が急変する特徴があり、神戸大学の病院で重症患者を診てきた経験から治療の難しさを指摘します。

(大路准教授)
急性期に感染したことで臓器がやられることによる障害がメインとなるので勝負が早いんですね。ウイルスに対するお薬は大きな意味を持たないというところが問題になります。

①病原体自身が消滅する

(大路准教授)
というのは理論的にはこれも可能で、ヒトヒト感染するものなので完全に日本が鎖国する。島国やったら可能です。イギリスとかですね。
発症する、発症しないというリスクを、発症する期間が2週間くらいなのでそこからうつるということも考えて4週間くらいですね、完全に今ある自宅から動きを止める。完全ロックダウンをしてしまう。消えますわ。これは消えます。

理論的には可能でも現実的には厳しいと判断。残りの3つは?

②病原体に感染しなくなる。

(大路准教授)
ワクチンと自然感染(中和抗体)からの効かなくなる(エスケープ)の問題があるのということで、一斉同時にワクチン接種することが少しでも効かなくなる問題を少なくするので。
これは一斉にワクチンを摂取するとありうるんですけど、世界中どこでもというのは無理であります。イスラエルが辛うじて達成しているかなと。

③病原体に感染しても治療できる。

(大路准教授)
これは急性感染が問題となるウイルスなんで、これは僕はかなり無理やと思います。
そのウイルスの後の肺炎に関して重症化していかないようになんとかコントロールしながらする治療は今開発されているんですが、そこのところなんですけど、その前の段階でというのは難しいと思います。

④社会が慣れていく。

(大路准教授)
これがそういうもんやと。30歳でも治療法がなくて死ぬ病気がある。40歳から50歳でもまあまあ死ぬ病気があるっていうことを許容してしまうことが、最後4つ目が終息のひとつのシナリオかなと思っています。

このシナリオに答えはなく、私たちが選ぶしかないと指摘。

中でも急速に開発が進んでいるのがワクチンです。日本に導入される予定の3種類のワクチンの中でも自分の体の中で抗体をつくらせるメッセンジャーRNAワクチンの効果が高いそうです。

(大路准教授)
ファイザーのメッセンジャーRNAワクチン。モデルナさんのメッセンジャーRNAワクチンは100%から95%減ということで5%。20分の1なんですね。発症リスクが。
実は無症候(無症状)感染も含めて感染も抑えるというデータもそろってきているので、これだけウイルス感染防御すると人から人へのリンクがちぎれるので、やっぱりちょっと流行を抑えられると思います。
(アストラゼネカは)データによっては80~90%以上なんでこれもそんなに悪くはない。

ただ、ワクチンを打ったとしてもマスクを着用する必要があるそうです。

(大路准教授)
マスクなしの生活が訪れるかというと実はですね。僕は訪れないと思っています。

一度感染しても抗体は6カ月で消えてしまうことや、抗体が効かなくなるような変異が起こるためで、ブラジルで再び感染が拡大している事例を挙げました。

(大路准教授)
ブラジルマナウス市で、去年12月の時点で75%の方が感染してしまっている状態で、集団免疫達成と喜んでいたんですけど、実はそれが12月時点だったんですけど、1月から大流行していまして、自分が共同研究している都内の友人がブラジルとテレカンファレンス(遠隔会議)しているんですけど、去年の初め以来の最大流行を実はブラジルは迎えています。
非常にまずい。ワクチン打ってマスク無しでウェイウェイやっていると、いつか確率論だが、耐性ウイルスに誰かが感染したら、その人が思いっきりうつしまくるので、ちょっと厳しいんじゃないかなと思います。

兵庫や大阪で猛威をふるうイギリス型の変異ウイルスについて後日話を聞きました。

(大路准教授)
イギリス型は通常の英国株に関しては、ヒトヒト感染しやすいということと、重症化しやすいということが言われていますし、前者(感染しやすい)に関しては、あまり患者さんに聞いていてもめちゃくちゃ変わったという気がしないんですけど、後者(重症化しやすい)に関しては結構重症化しやすいんじゃないかなと、個人的な感じで申し訳ないですけど感じております。
ワクチンが効きにくくなるということはこの株に関してはあまり言われていないので、ワクチンが戦える変異株なんやろうなと思っています。どんどんみんながワクチンを打っていったら確実に今のステージやったら減っていくと思いますので、少しでも早くワクチンをみんなで打っていきたいなと思っているところですね。

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