次の挑戦へ!

〈10/7 DeNA 1-2 阪神 (横浜)〉

勝:ドリス
S:藤川
敗:エスコバー

一つ負けてもいい試合をきっちり一つ落とし、また負けられない試合、それも同点でも負けという試合。
試合前の声出しは、負けて途切れたと思っていた坂本誠志郎。リベンジなのだそうだ。

思えば、リベンジの連続だ。
CS初戦に4失点した島本も、遥人の後を2イニングのナイスリリーフ。
先発の遥人だって、シーズン終盤の悔しい結果を見事取り返した好投を見せていた。

そして、前日サヨナラホームランを浴びた岩崎を、矢野監督は迷いなくマウンドに送った。
バッテリーを組む梅野のリベンジでもある。
岩崎は険しい登板だったと思う。雨でぬかるむマウンドに踏み込む足が合わない。前日2イニング投げた疲れもあるだろう。ボールが高くなっていた。
それでも6回裏は3人で打ち取った。
岩崎すごいね。修羅場を乗り越えた感覚は岩崎をどんどん強くする。
だからって矢野監督よ、2イニングはやり過ぎだ(笑)
あなたのガンコさはときに、守りたい選手をも傷つけるかもしれない。

7回裏、上位打線に回ったベイスターズ打線はやはり簡単ではなかった。
満塁からサード北條が、ゲッツーコースの打球を弾いてしまい同点に追い付かれる。
ここでようやくドリスにスイッチするのだが、一死満塁という場面での交代は、岩崎にもドリスにも厳しい交代だ。
ランナーを置いてのピッチングが極端に苦手なドリス…目を開けてられないどころか、さっきからずっと口の中が酸っぱい…
バットに当てられたら…ドリスの前に転がされたら…ネガティブが次から次へといくらでもリアルに脳内再生されている。
だから柴田から空振り三振を奪ったとき、この3試合で一番大きな声が出たかもしれない。
私が言うのもおかしな話だが、ベイスターズベンチは一死満塁でドリスなら他にいくらでもやりようはあった。
なんせ助かった…!(涙目)
続く代打佐野もドリスからヒットは奪えず。
しのいだ…
ドリス!ありがとう!ありがとう!ごめんな!ありがとう!

そして、8回表だ。
一死から高山が太ももでエスコバーの153キロのストレートをモロに受けてしまう。
痛みに顔をゆがめた高山だったが、トレーナーさんが駆け寄ると「大丈夫大丈夫」とほぼ反射的に言ってしまっているのは金本前監督の教えが染みついているのか…!?
とにかくものすごい痛いはずだが、エスコバーの方が痛そうだ。
そして、代走に植田海が送られたのだが、高山がデットボールでなく、仮にヒットでの出塁だったとしても、矢野監督は海を代走に出した気がする。

海もリベンジだ。
昨日、大和の好守もあり盗塁を阻まれ、チャンスをつぶしていた。試合の中では流れを切ったような痛い失敗だったから、正直、海がその失敗を引き摺っていないか、いいスタートを切れるのか少し心配ではあった。
だが、全く心配いらなかった。
初球、海が走った。
「行く前から初球行ったろうと決めていた」という素晴らしいスタートだった。
ちょっとね、この盗塁にはやられた…勇気ある素晴らしい盗塁だった。
海はなぜ初球から走れたんだろうって、試合が終わるまでずっと考えてた。
ヒーローインタビューに答えはあった。
「昨日やられてたんで、絶対やり返したるっていう気持ち持って走りました」
そうか、いつまでもみんなの弟的存在ってだけじゃないんだ。海も、生き残りをかけた厳しいプロ野球の世界で戦う選手だ。

海の盗塁成功は、エスコバーの暴投を誘い、そして、梅野が決めた。
ファウルで粘った梅野は7球目、ちょっと浅かったが、伸びろ伸びろって祈るように打球を見ながらバットを持ったまま走り出した。
海には十分だった。
勝ち越しの犠牲フライ!
ここで決めた梅野はすごい!!

だが、早い回から継投に入ったタイガースには、まだ2イニングもあった。
8回から登板したのは球児。
昨日投げていなかったし、もうここは確かに球児の出番だった。
8回は三者凡退に仕留めたが、9回はまた筒香から始まる強烈な打線だ。
雨が、大降りになって、どうしてこんなに球児に試練なのだろうかって、天候を恨みながら見てた。
だけど、マウンドに土を入れてもらう間の球児は、内野陣が集まる輪の中で笑顔を見せていた。不安しかないこの場面に、球児の笑顔…どれだけ救われたか。
そして、真っ白い雨の景色の中、最後は球児が打球を処理して、ゲームセット!

タイガースが勝った!!

木浪の打席では暴投あったりベースに当たって2ベースとなるラッキーもあり、鳥谷は、ブレずに四球を見極め、梅野は雨の中ワンバンを何度も止め、糸原は猛打賞に加え二度の好守あり…とはいえ、今日両チーム合計の3点というのは、暴投、失策、犠飛というもの。
うまい試合運びでもないし、両チームとも褒められるゲーム内容ではなかったはずだ。
ただ、熱量が凄かった。素晴らしい試合だった。

両チーム、一歩も引かず、前へ前へと出て、その結果、ほんのわずかな差でタイガースが次のステージの挑戦権を得た。
ベイスターズの分まで頑張ってなんてちょっとおこがましいと思うから言わない。
あくまでもタイガースは挑戦者だし、それは忘れないでいようと思う。
北條は、チャンスだ!

ガルシアが、雨の中最後まで声を枯らしたレフトのファンの近くまで行き、バンザイ三唱。
今日、何もしてないから、特に元気(笑)

さぁ東京へ!
頑張れ!タイガース!

[今日のマルテ]

東京ドーム行ったらホームラン打ってダンスだ!(それソラーテ)

This entry was posted in コラム. Bookmark the permalink.