2022年03月07日(月曜日) 10:43 報道特集・ドキュメント

朝田アナが徹底調査 3000年前のミイラの謎に迫る

(朝田アナウンサー)
ロンドンの大英博物館から神戸に運ばれたおよそ3000年前のミイラ。きょうはみなさんに、最新技術で明らかになったミイラの新事実をお伝えします。

神戸市立博物館に集められた大英博物館所蔵のミイラ。3000年の時を経て明らかとなる当時の生活!最新技術で謎を解く不思議発見の冒険の始まりです!

ミイラ展を案内してくれたのは三好俊学芸員です。

(三好さん)
大英博物館から6体のミイラがこちらで展示されています。
こちらは紀元前600年ごろの役人の方のミイラになります。大英博物館でミイラをCTスキャンにかけた結果、動脈硬化で亡くなったことが分かっています。

科学が進歩してミイラに巻かれた布を外さなくても中の状態を知ることができるようになりました。CTスキャンで内部を詳細に調べると、このミイラは生前に歯を1本失い、血管には動脈硬化がみられることが分かりました。

(朝田アナ)動脈硬化ってその時代からあったんですね。
(三好さん)そうですね。現代の私たちもかかるような病気です。
(朝田アナ)やっぱりちょっとおいしいものをたべたりしてたんですかね。
(三好さん)昔の人も今と同じで、お金があったらいいものをたくさん食べて、おそらく運動不足になったりとかその辺りは私たちと同じです。

今回のミイラ展では、古代エジプトの遺跡から発掘された装飾品に、神々への信仰を刻んだ石のオブジェや壁画なども展示されています。次に案内してくれたのはミイラを作る上でとても重要な役割を担う壺でした。

(朝田アナ)これはどういうふうに使ってたんですか?
(三好さん)人間をミイラにするときに、内臓をこの後復活できるようにということで遺体の中から取り出して、それぞれ臓器をこの壺に収めて守っていたものです。
(朝田アナ)復活したらまたもとに戻せるという考え方ですか。

古代エジプトでは、死後に来世で復活するため取り出した臓器はひとつずつ保存していましたが、この壺からはとても興味深い事実が判明しました。

このように臓器は丁寧に保存されていました。しかしある臓器だけ保存されませんでした。それは次のうちどれでしょう?
A:司令塔とも言える臓器「脳」
B:生命維持には欠かせない臓器「心臓」

新たに分かったミイラの事実。保存されなかったのは「脳」か「心臓」か、どちらだと思いますか?

(三好さん)
答えは人間の脳です。当時脳はあまり重要視されていなかったのか「鼻水を作る」臓器と思われていて、鼻から器具を入れて掻き出して捨ててしまっていたようです。復活された時に困るんじゃないかと思いますよね。

心臓は清められたあと、再び体内に戻されていました。

生と死を尊いものと考えた古代エジプト人は、復活の願いを込めてミイラを作りました。中にはこんな悲しいミイラもあります。

(朝田アナ)この小さいのもミイラですか。
(三好さん)はい、これは子どものミイラです。3~5歳くらいで亡くなった子どものミイラと考えられています。特に絵も繊細に描かれてますので、おそらく親御さんが悲しんだということがよく分かります。
(朝田アナ)これだけいろいろ描かれていたりだとか当時からお子さんが亡くなると悲しいという思いが伝わりますね。

遺跡から発掘された壁画を見ると、家族の団らんが描かれているものも多く、古代エジプト人が求めたのは穏やかな暮らしだったことが分かります。

3000年の時が過ぎた今と当時の人々の願いが大きく変わらないことを感じることができます。

(朝田アナ)
いやー、おもしろくて見入ってしまいました。3000年経っても死への恐怖であったり生への執着、家族への愛など、今でも変わらないことも感じました。
それを最新技術を用いて読み解いているミイラ展。みなさんもぜひお越しください

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