新型コロナの影響を受け恒例の「あすかふるさとまつり」の中止を決めた太子町は、まつりの代替案として子どもたちから叶えたい夢を募集しました。
このプロジェクトに選ばれたのはどんな夢だったのでしょうか。
兵庫県太子町の町役場。ここに届けられたものがあります。
「これ何になりますか?」
実行委員会 森川大・事務局長:「これは町民の皆さんから頂いた夢です」
「結構量ありますね」
森川さん「60通以上あります」
新型コロナの影響で太子町では毎年恒例の太子あすかふるさとまつりが去年に続きことしも中止となりました。
実行委員会 森川大・事務局長:「代わりにということでドリカム企画としてあなたの夢を叶えるお手伝いとしますという企画を立ち上げました」
届いたはがきには「全員で巨大なクリスマスツリーに飾り付けをしたい」
「ハイジみたいな木のブランコに乗ってみたい」
「警察のお仕事をしてみたい」といった夢が書かれています。
そして、多くの応募の中から選ばれたのが・・・
児童「いまから朝の会を始めます 起立」
太子町立石海小学校2年生69人の児童たちの夢でした。
どんなことを願ったのでしょう。担任の柴原千絵先生の服装にも関係があります。
柴原千絵先生「きょうは何をするかというと?算数の教科書を出して掛け算をします」
児童「なんでやねん!」「先生、着替えた意味ないやん」
柴原千絵先生「ふるさとあすかまつりの人たちのご協力を得てある企画をします。何だった?」
児童「ペインティング」
児童たちの願いはこれでした。
「使わなくなるセンターかトラックの荷台に思いっきりペイントしたい」
実は48年間に渡り、太子町の小中学校に給食を提供していた給食センターが、老朽化でことしの7月に閉鎖となりました。
「給食好き?」
児童「好き 大好き」
「何の給食が一番好き?」
児童「カレー」
「きょうは何しますか?」
児童「カレーとか描く、パンとか」
みんな給食が大好き。
給食センターに大きな絵を描き、感謝のメッセージを伝えたい。
さぁ、夢を叶える旅に出発です。
「楽しむぞ!」
なんと、給食センターは石海小学校のすぐ隣です。
児童たちが描くのは、給食センター搬入口のこの大きなシャッター。こんな大きな絵を描くのはもちろん初めて。
児童「おれ一番最初にいこうかな、押すなよ」
児童「スープを描いてます。こっちはパン」
先生「山はいま緑っぽいやろ、手前をもっと黄緑っぽい感じに色を分けたい」
夢の完成に向かってみんな一生懸命に色を塗り大きな絵を完成させます。
このプロジェクト、担任の柴原先生は特別な思いで見守っていました。
柴原千絵先生「この学年はコロナの影響で、1年生で入学してきた時からあまり行事がない学年で。
そういうのもあっていろんなことを経験させてあげたいというか、希望を持ってこれからも生きてほしいという願いが」
3時間掛けて描いた大きなシャッターには、「あかるく元気にひまわりのように」と「夢に向かってはばたく」のメッセージも添えられました。
また、配送に使われていたトラックの荷台にも「48年間ありがとう」の感謝の言葉が綴られています。
「きょうはどんな気持ちを込めて描きましたか?」
児童「夢に向かってみんなが頑張って羽ばたいていく」
児童「すっと残ってほしいなって」
これまで大きなイベント事はありませんでしたが、2年生になってとても大きな思い出ができたようでした。