2021年10月05日(火曜日) 16:06 報道特集・ドキュメント

「置いてけぼりにしない」 神戸市北区高校生殺人事件から11年

いつも家族の中心にいた将太さんの写真は16歳の頃から増えることはありません。

(将太さんの父・堤敏さん)
11年でともかく捕まえるんだという気持ちでそれで平静を保てていたけれど、1日ずっと犯人に関すること、事件に関すること、やっぱり『将太、どうしたらいいだろうか』という思いで24時間それを考えている。

事件は2010年10月4日に起きました。午後10時45分ごろ、神戸市北区筑紫が丘の路上で友人と会っていた将太さん(当時16)が頭や首などを刺され殺害されたのです。

事件に関する目撃証言や物証は少なく、捜査は難航しました。

事件から2年後、将太さんと一緒にいた女子生徒の証言をもとに作られた犯人の似顔絵が公開されました。
敏さんたちは犯人の逮捕につなげようと情報提供を求めるビラ配りを続ける一方、大切な人を失った遺族として思いを語る活動を続けてきました。

(敏さん)
将太、怖かったよな。痛かったよな。苦しかったよな。つらかったよな。お父さん、お前を助けられんかった。ごめんな。息子の手を握りながらそう言いました。なぜ、この事件が起こったのか私たちはそれを知りたい。

犯人逮捕を願い続けた10年10カ月。事件はことし8月急展開を迎えました。

逮捕されたのは、当時17歳で愛知県に住むパート従業員の28歳の男でした。将太さんと面識はありませんでしたが殺害を認める供述をしているということです。

(敏さん)
僕は絶対に自首してくれ、犯人出てきてくれということは一言も今まで言っていない。こっちから絶対に捕まえてやる。11年経ったけれどもみんな思ってくれてたんや。みんな味方だとそう思いました。

事件後、敏さんら家族の支えとなったのが将太さんの友人たちでした。

大人へと成長していくその姿に敏さんは見ることが叶わなかった息子の未来を重ねていました。

(敏さん)
息子の友達と11年間、毎年顔を合わせてみんなちゃんと成長したな、すごいなと感じ取れた。うちの息子もそうなっていたのかなと若干だけど想像もできる。本当になんていうんだろう、寂しいけどうれしい。

毎年、ビラ配りに参加していた仁木星弥さんは将太さんと小学生の頃からの友人でした。

(仁木星弥さん)
将太さんは優しいし、友達思いだった。えぇ奴やったから友達が多かったんだとも思う。捕まってほしいは一番ですけど、将太のおっちゃんおばちゃん2人だけだとしんどいと思うし、僕ができる限りのことはしたかった。

逮捕の一報は敏さんから電話で受けました。

(星弥さん)
長かったなとしか言えない。本当に長かった。あいつがいたらどうしてるんだろうなとか、自分がなんかあったときに、俺電話してたのかな。お前やったらどうする?とか言って電話をかけてたのかなと思います。

野球が好きで、ノリがいい。いつだって家族と過ごす時間を優先していた将太さん。

(敏さん)
(幼い頃)将太が「僕初めてお父さんと2人でお出かけした。うれしかった」って言ってたって聞いた。家では本当に普通の高校生だった。友達に「父さんが言っていたけどこうらしいで」とか言える変なやつだった。

敏さんが毎日のように思い出すのは一緒に過ごした何気ない日々です。

(敏さん)
何年経とうがこいつを置いてけぼりにできない。ほっていかれへん。主役は彼やもんな。こいつが中心にいるわけやから

もう二度と帰らない息子のために、敏さんはこれからも事件と向き合い続けます。

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