コロナ禍に必要な子どもの心のケアとは? 災害時のメンタルサポートなどに力を注いできた精神科医に、話を聞きました。
JICAでメンタルヘルスケアを担当する精神科医の田中英三郎さんは兵庫県小野市出身で、阪神淡路大震災や東日本大震災などの心的外傷後ストレス障害などに苦しむ被災者に向き合ってきました。
田中さんは、コロナ禍の今、特に思春期の子どもたちが大きなストレスを抱えていると分析します。
警察庁などの調べによりますと、2020年の自殺者数は、およそ2万人。11年ぶりに増えました。
特に、多くなっているのが10代から20代です。 外に出る機会が減る中、家族のきしみが強く表れやすくなっていることが大きな原因の1つになっています。
状況を改善するためには、周りの大人たちの声かけが重要だと話します。
田中さんのもとには、海外からも相談が寄せられます。 オンラインで会議したのは、ヨルダンにいるJICAのメンバーです。
現地では、新型コロナの感染拡大を受け、2020年3月から学校が休校になりました。
ヨルダン政府から依頼を受け、子どもたちのケアを担うことになったのです。
日本で培った経験を世界でもいかそうと、田中さんは、8月28日にヨルダンへ向かい、およそ2年間現地の子どもたちのケアにあたります。