2021年05月12日(水曜日) 14:50 地域・まち

「ウェディングドレスを着る」夢を叶えた脳性まひの女性

画面に映っているのは、いつもとはまるで別人のように着飾った2週間前の自分です。

(増金望美さん)
信じられないくらい。ほんまの一日だけのシンデレラみたいな感じで夢のような時だった。

増金望美さん。重度の脳性まひと知的障害があります。望美さんには30歳の頃からずっと叶えたかった夢がありました。 

1987年、三田市で生まれた望美さん。脳性まひの影響で幼いころから車いすで生活し、地元の小学校では特別支援学級に通っていました。

(望美さん)
私は体も小さいし、小さいころから先に亡くなった友達が多い。
一番最初に亡くなった友達が小学校6年生の同級生の同じ障害を持った友達。その友達と心の中でその友達の分まで生きると約束した。

望美さんは篠山市や三田市にあるデイサービス施設に通っています。現在、34歳。緩やかに、けれども確実に体が衰えていくのを感じています。

(望美さん)
目も見えにくいし筋力は落ちるし、そういうところで衰えは感じているけど、これも私の体と付き合わないとしゃあないなと思って楽しく毎日を過ごそうと思っています。

友達との約束、そして変わりゆく体と向き合い日々を重ねる中で、今を生きる自分の姿を残したいと思うようになりました。

(望美さん)
一回はウェディングドレスを着たいという夢は誰もがあるんじゃないですか。障害があってもなくてもあると思うので。

自力で立つことが叶わない望美さんは着替えにも移動にも介助が必要です。ドレスを着るというハードルは想像以上に高く一度は夢を諦めかけました。

障害者やLGBTQ、それに独身者を対象としたウェディングプランを立ち上げた高島晴奈さんと出会ったことで、今年に入り再び夢が動き出しました。

(つなぐWedding 高島晴奈さん)
今までやってきたフォトウェディングとか結婚式と同じ要領ではいかない。人によって障害の出方も違う。
ひとつひとつがすごく時間がかかる。本人もすごく大変だと思う。だけど選べると思うのは当たり前だと思うからそこを作っていきたい。

望美さんはこの日のため、密かに歩く練習を重ねていました。

憧れのドレスを着て支えてくれた家族に感謝を伝える。望美さんが思い描いていた夢が叶いました。

(望美さん)
これからは恩返しできるようにまた、ふたつ目、3つ目の夢に向かって、またきょうから新たなスタートだと思って私らしく楽しく生活していきたいと思います。

撮影からおよそ2週間。望美さんは次の夢に向けて歩み始めています。夢を叶えたあの日の思い出を原動力に。

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