【ヴィクトリーナ姫路】“2冠”ならず、井上愛里沙がラストゲーム

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  • シーズンを戦い終えたヴィクトリーナ姫路 中央が10井上愛里沙、右端がアヴィタル・セリンジャー監督(4月21日、SAGAアリーナ)/提供:ヴィクトリーナ姫路

  • (右)10井上愛里沙、(左)6森田茉莉 /(c)SV.LEAGUE

  • SVリーグ女子 チャンピオンシップ

■SAGA久光に連敗

<SV女子 チャンピオンシップ準々決勝>

●ヴィクトリーナ姫路 1-3 SAGA久光(4/20)

●ヴィクトリーナ姫路 0-3 SAGA久光(4/21)

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女子バレーボールSVリーグ6位・ヴィクトリーナ姫路は4月20・21日、チャンピオンシップ(プレーオフ)準々決勝に臨んだ(佐賀市・SAGAアリーナ)。

SVリーグ“初代女王”をめざしたが、3位・SAGA久光スプリングスに連敗し、今シーズンの戦いを終えた。

20日の試合。

第1・第2セットを失ったヴィクトリーナ姫路は、第3セットを井上愛里沙(パリ五輪代表)の連続スパイクなどで取り返した(25-20)。

第4セットも16-11とリードしたが、ここからミスを連発して相手に連続得点を許し、最後まで挽回できなかった(19-25)。

21日の試合。

前日と同じくヴィクトリーナは第1・第2セットを奪われ、後がなくなった。

第3セットは、宮部藍梨(パリ五輪代表、2025年度・日本代表チーム登録メンバー)やルーキー・秋本美空(2025年度・日本代表チーム登録メンバー)、ケガから復帰したサウスポー田中咲希らが、井上とともに多角的な攻撃を展開した。

井上の連続スパイクと宮部のサービスエースで23-22と前に出たが、デュースの末、SAGA久光に競り負けた(25-27)。

試合後、アヴィタル・セリンジャー監督は、

「(チームは)全身全霊最後まで戦い抜きました。心から選手たちを誇りに思います。

 長く厳しいシーズンではありましたが、学び多き素晴らしい経験となりました」と語った。

■「感謝しかない」

今シーズン限りで現役引退する井上愛里沙は、古巣・SAGA久光との対戦がラストとなった。

両日とも全セットに先発出場。

強烈なスパイクで計30得点を挙げ、最後までチームの大黒柱として戦い抜いた。

試合後、両チームの選手に囲まれて胴上げされたあと、会場に挨拶した。

「きょう終わるつもりはなかったので、言葉は準備していないが、感謝の気持ちしか出てこない。優勝だけを見て突っ走ってきた。残りのメンバーがこの悔しさを晴らしてくれると思う。これからもヴィクトリーナ姫路の応援よろしくお願いします」。

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井上のほか、キャプテンを務めた松本愛希穂と荒谷栞、地元たつの市出身の野津亜珠佳が現役引退する。

また2年間、“守護神”として好セーブを連発したリベロの森田茉莉も退団する。

森田は、

「上手くいかない時間や勝てない時期、その中での一勝だったり優勝の瞬間、いろんな時をこの仲間と一緒に過ごせてすごく幸せで、すごく貴重な経験をすることができました。このチームに移籍して良かった!と心から思います」とコメントした。

■上位が勝ち上がる

SV女子チャンピオンシップ準々決勝は上位4チームが勝ち上がり、“下剋上”はなかった。

25日から準決勝が行われ、決勝は5月2~4日に東京・有明アリーナで行われる。

■低迷から脱却

ヴィクトリーナ姫路はSVリーグ初年、レギュラーシーズンを27勝17敗、6位で終えた。

旧V1では4年間、下位に低迷し、昨シーズンはV2に降格と、苦難の道を歩んできたが、今シーズンはトップリーグに復帰し、“名将”セリンジャー監督の指揮のもと、強豪とも互角に渡り合った。

昨年12月の皇后杯では「100%」を合言葉に優勝し、チーム創設9年目で悲願のタイトルを獲得した。

来シーズンは井上愛里沙が抜けた穴をどう埋めるかが課題となる。

終盤戦でチームに活力を与えた18歳コンビ、秋本美空と河俣心海(2025年度・日本代表チーム登録メンバー)の成長も楽しみだ。

(浮田信明)

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