ヴィクトリーナ姫路 (左)5柴田真果キャプテン、(右)アヴィタル・セリンジャー監督
レギュラーシーズン44試合を戦い終えたヴィクトリーナ姫路
SVリーグ女子 プレーオフ組み合わせ
■第1関門はSAGA久光
女子バレーボールSVリーグ6位・ヴィクトリーナ姫路は、4月20・21・22日の3日間、3位・SAGA久光スプリングスとプレーオフ(チャンピオンシップ)準々決勝を戦う。
試合は敵地・SAGAアリーナ(佐賀市)で行われ、20・21日は19時5分、22日は18時35分に試合開始。
レギュラーシーズンでは一度もなかったナイトゲームとなる。
先に2勝した方が準決勝に進み、2戦目で決着すれば3戦目は行われない。
ヴィクトリーナ姫路は今シーズン、SAGA久光とリーグ戦2勝2敗の五分で、昨年12月の皇后杯決勝では“死闘”の末に破り、初タイトルを獲得した。
プレーオフを前に、柴田真果キャプテン(セッター)とアヴィタル・セリンジャー監督に決意を聞いた。
■ここから本当の勝負
Q.久光の印象は–
柴田キャプテン:
「若い選手とベテランがいる層が厚いチーム。今シーズン毎試合、壮絶な戦いをしている(笑)。お互いに分かり切った状況なので、対策していきたい」
Q.姫路も18歳ルーキーの秋本美空・河俣心海(ともに2025年度の日本代表チーム登録メンバーに選出)が終盤に大活躍–
「練習より試合の方が生き生きしている(笑)。緊張していると思うが、その中でも力を発揮できる選手だ」
Q.シーズン44試合を戦い、27勝17敗–
「メンタルの浮き沈みや疲労のピークもあった。皇后杯で一度ピークを迎え、もう1回、リーグ(戦)に心も体も向き直す時間があった」
「チームとして初めてのチャンピオンシップなので、ここからが本当の勝負だと思っています」
Q.2勝して次に進む方式–
「ミーティングで『忘れることが大事』という話が出た。1日目に勝っても、2日目に勝たないと決まらないので、1日目のことは良い意味で忘れて、2日目の準備をする。もし1日目で負けても、2日目・3日目があるので、心を切り替えて準備をする。そこがキーになってくる」
■100%を出す
ヴィクトリーナ姫路は今シーズン、井上愛里沙・宮部藍梨(ともにパリ五輪代表)を中心に戦ってきた。
終盤、主力のチャッチュオン・モクシー(タイ代表)や田中咲希がコンディション不良で欠場したが、秋本・河俣らがカバーした。
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Q.シーズンを振り返って–
セリンジャー監督:
「選手たちは急成長した。本当に驚くべき素晴らしい進歩を遂げたと言っていい。他のチームが何十年とかけたことを、ここ1、2年でやってきたと思う」
Q.ルーキーも活躍–
「もっと大事に時間をかけて送り出したかったが、台所事情が苦しくて出場させた。いきなり活躍してしまったが、もっとのびのびと若々しく、(バレーボールを)楽しんでほしいというのが本音です」
Q.相手は久光–
「3位に入った強豪。挑戦者としてチャレンジするのみだ。失うものはない。大接戦できればいい」
Q.プレーオフの戦い方は–
「目の前の試合しか見ない。目の前の1試合を勝ち抜いて、勝ったらまた次の試合へ…。勝ったとしても、負けたとしても、次の試合があるので切り替える。試合の中でも、セット間での切り替えの速さがポイントになってくる」
「私たちができる最高のバレーボールを出せるかどうかが一番大事で、勝敗はその次だ。私たちの100%を出せると信じて戦います」
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アウェイ、ナイトゲーム、選手のコンディションなど気がかりな点はあるが、今シーズンのヴィクトリーナ姫路には皇后杯優勝という大きな実績がある。
初代SVリーグ“女王”をめざして、どんな戦いを見せてくれるか。
(浮田信明)