神戸ストークス 東頭俊典ヘッドコーチ
初采配の東頭俊典ヘッドコーチ(2月21日 愛媛戦) /©B.LEAGUE
B2ワイルドカード争い
神戸ストークス /©B.LEAGUE
■新指揮官に聞く
今シーズン不振のB2神戸ストークスは2月、ヘッドコーチ(HC)が交代した。
新しい指揮官にはアシスタントコーチ兼通訳の東頭俊典(とうどう・しゅんすけ)氏が昇格し、初采配の愛媛オレンジバイキングス戦(2/21、2/22)を連続白星で飾った。
しかし通算成績は14勝29敗と大きく負け越していて、目標とするプレーオフ進出→B1昇格にはなお厳しい数字だ。
残り17試合をどう戦うか、東頭ヘッドコーチに聞いた。
(浮田信明)
■選手に告げた言葉
Q.チームの雰囲気は–
「なかなか結果が出ないが、チームを壊している選手はいない。プレドラッグ・クルニッチ前ヘッドコーチがチームにハードワークの文化を残してくれた。みんな頑張っている」
Q.就任後、選手には–
「『ストークスはB1に行けると自分は本気で思っている』とストレートに伝えた。それには本気でやらないといけない」
(愛媛との第2戦で東頭HCは新しい試みを行った。
バスケットボールのポジションは、“司令塔”役のポイントガード(PG)、点取り役のスモール・フォワード(SF)、ゴール下で防御するセンター(C)など5つに分かれる。
通常は各ポジションの選手が1人ずつコートに出るが、この試合のスターティンメンバーにはPGがおらず、SFが2人登場した)
Q.狙いは–
「ポジションの概念をなくして、(試合時間)40分×(コートでプレーする)5人の合計200分を、どう各選手に配分すべきかを考えた。ポジションを固定すると、何人かの選手はプレーする時間が限られてしまい、埋もれてしまう」
(東頭HCは北海道出身。アメリカ・ローワン大を経て、2010年から男子日本代表のアシスタントコーチ兼通訳。2013年から大阪エヴェッサのHCを務めるなどコーチ経験は豊富だ。
神戸ストークスはリバウンド獲得数がリーグ最下位で、守備の強化が課題となっている)
「リバウンド獲得の前に、まず相手チームに高い成功率でシュートを打たせているのが問題。
リバウンドを取るには、①選手のサイズ、②意識、③理論が必要だが、ストークスの選手はサイズがない。そのため『リバウンドを取らないと勝てない』という意識を付け、どの位置からどうシュートを打つとボールはどう跳ね返るかなど、理論面も教えていく」
■8番目のイス
(B2リーグは、東西地区のそれぞれ3位以上と、4位以下で勝率上位の2チーム(ワイルドカード)の計8チームがプレーオフ(PO)に進出し、トーナメント戦の結果、上位2チームがB1に昇格する。
西地区6位の神戸ストークスは8番目のイス=ワイルドカード2位をめざすが、現在ワイルドカード2位の青森とは4ゲーム差あり、さらに山形・熊本・奈良の3チームが上位にいる)
Q.残り17試合でPOへの可能性は–
「差は4ゲームしかない。上位の青森・山形・奈良とはそれぞれ直接対決2試合が残されている。これ以上、差を付けられず、直接対決を勝っていけば可能性はある」
(神戸港に建設中だった新しい本拠地『ジーライオンアリーナ神戸』が近く竣工し、4月に4試合が組まれている)
Q.新アリーナで試合–
「1万人収容と大きく、神戸の中心・三宮から近いという地の利もあり、“日本一”のアリーナだ。その場所にふさわしいチームにならないといけない」
■次戦は強敵
神戸ストークスは東頭HCの就任と同時に、守備面の強化を図るため、B2リバウンド王2回の実績を持つアイザック・バッツを獲得した。
エースのチョンディー・ブラウン・ジュニアは現在B2の得点王(平均19.2得点)。
さらに、ストークス一筋のベテラン谷直樹と道原紀晃、進境著しい川島聖那、体とスピードがあるカロンジ磯山パトリックら戦力は揃っている。
「選手とコーチ・スタッフの全員がハイパフォーマンスで戦っていく」と東頭HCは力を込めた。
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神戸ストークスは次戦(3/1、3/2)、加古川総合体育館で富山グラウジーズと戦う。
前B1の富山は27勝16敗で東地区3位。
1試合平均89.2得点を挙げ、リーグ2位の得点力を誇る。
POへ向けた重要な戦いとなりそうだ。