北朝鮮による拉致被害者で、神戸市出身の有本恵子さんの(失踪当時23)父親の明弘さんが老衰のため亡くなりました。
96歳でした。
神戸市の有本明弘さんの三女、恵子さんはロンドンに語学留学中だった1983年、ヨーロッパで北朝鮮に連れ去られたとされています。
1988年には恵子さんが、北朝鮮にいることが分かり、妻の嘉代子さんとともに救出を求める活動を続けてきました。
1997年には拉致被害者の家族会が結成され、政府に救出を訴え、全国各地での講演や署名活動に長年取り組んできました。
問題の長期化と被害者家族の高齢化が進むなか、2020年、妻の嘉代子さんが94歳で亡くなりました。
明弘さんはその後も、拉致問題のパネル展を訪れるなど解決を訴えてきました。
恵子さんの一刻も早い帰国の実現を求めて96歳で亡くなった有本明弘さんの訃報を受け、石破総理大臣は、「本当に残念だ。一日も早い拉致被害者の帰国をあらゆる手段を使って実現させていく」と述べています。