川崎重工業の男性社員が赴任先の中国で自殺したのは過労などが原因だったとして、遺族が会社に損害賠償を求めた裁判で、神戸地裁は15日、訴えを棄却しました。
訴えによりますと、川崎重工業に勤めていた男性社員(当時35)は、中国の関連会社に出向していた2013年、現地のマンションから転落し死亡しました。
男性は2016年に労災認定されていて、男性の妻と娘は、会社が安全配慮義務を怠った結果、業務量が増えてうつ病を発症して自殺したなどとして、会社に対しおよそ1億円の損害賠償を求めていました。
これに対し川崎重工業側は、男性が転落したのは直前に酒や薬を大量に飲んでいたことなどが原因として、争う姿勢を示していました。
15日の判決で神戸地裁の河本寿一裁判長は、「業務が過度な負担になっていたとは認められず、会社側に業務を軽減する措置を講じる義務があったとは言えない」として遺族の訴えを退けました。
遺族側は15日の判決を不服とし、近く控訴する方針です。