神戸市に本社を置く住友ゴム工業と京都大学などは、地震などから住宅を守る制震装置の効果を検証するため、能登半島地震の揺れを再現した実験の様子を報道陣に公開しました。
京都大学の防災研究所で行われた実験は、最新の制震技術や今後の地震対策を紹介しようと、神戸市に本社を置く住友ゴムが公開したものです。
今回は住友ゴムが新築やリフォームする住宅向けに販売する、制震ダンパー「MIRAIEΣ」を使い、設置した場合としていない場合で、住宅の揺れにどのような変化があるのかを比較します。
左が「制震ダンパー」を取り付けた住宅、右が取り付けていない住宅を想定したものです。
住宅の枠組みに与えたのは、ことし1月の能登半島地震で観測された震度6強相当の揺れ。
制震ダンパーをつけていない右の住宅は、家の構造を支える柱が傾くほど大きく揺れているのが分かります。
一方、制震ダンパーをつけていると、柱が大きく揺れる様子は確認されません。
実験の結果、制震ダンパーがない場合は2回目の揺れで倒壊レベルに達したのに対して、制震ダンパーがある場合は、10回の揺れを与えても倒壊する基準を超えなかったということです。
住友ゴムによりますと、能登半島地震で被災した住宅のうち、住友ゴムの制震装置が設置されていた住宅の全壊や半壊は1軒も無かったということで、耐震化に向けた制震装置導入を広めていきたいとしています。