兵庫県多可町では、小学生が伝統工芸品の和紙「杉原紙」を使った卒業証書作りに挑戦しました。
この取り組みは、地元が誇る伝統の技術を学んでもらおうと、多可町でおよそ40年前から続くもので、3日は町立中町北小学校の児童27人が参加しました。
杉原紙は、多可町で奈良時代からその製法が受け継がれてきたとされる高級和紙で、県の伝統工芸品にも指定されています。
多可町では小学6年生が杉原紙で卒業証書を自分たちの手で作るため、原料であるコウゾの刈り取りや、川さらしなどの工程を学んできました。
児童たちは、杉原紙研究所の職員に教わりながら、紙の原料を水に溶かし平らにする「紙すき」を体験し、真剣な表情で卒業証書になる紙を作っていました。
この後、乾燥などの工程を経て世界に一つだけの卒業証書が完成し、来年3月の卒業式で児童に手渡されるということです。