■サプライズで祝福
男子プロバスケットボールB2神戸ストークスは、開幕から17試合を消化した。
成績は9勝8敗で、西地区4位の位置にいる(第10節終了現在)。
開幕2戦目(10/6)から5連勝したが、ケガ人が続出して10月下旬から5連敗。
しかし11月にはいって再び4連勝と、好不調を繰り返した。
シーズン60試合の1/4を消化し、開幕からまもなく2カ月が経過する現状について、今シーズンから指揮を執るプレドラッグ・クルニッチHC(ヘッドコーチ)(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ出身)に聞いた。
取材した11月27日はクルニッチ氏の57歳の誕生日。
練習後に選手からサプライズの祝福を受けたあと、取材に応じた(通訳:東頭俊典アシスタントコーチ)。
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Q.チームの現状は–
クルニッチHC
「まず選手たちのことを話したい。本当に一生懸命、練習してくれることに満足している。プロ意識が高く、ベストを尽くしてくれている。
けがとかいろんな理由があるにせよ、もう数試合は勝つことができたと思っています」
Q.開幕からトランジション(攻守の切り替え)が速いバスケットを追求してきた–
「だいぶ浸透してきている。オフェンスのトランジションも良くなってきている。選手たちはしっかりとトライしてくれているし、まだまだ良くなっていくと思う。
ただし、高い強度(ハイ・インテンシティ)でバスケットをやっているので、けが人が1人でも出ると、いろんな人に負担がかかってしまう。このスタイルを貫くには、けが人がいないことが大事だ」
■ハードな練習
神戸ストークスのスタッツ(試合の成績データ)を昨シーズンと比較すると、チームの1試合平均得点は「85.1」(リーグ4位、+5.2)とアップし、アシスト数も1試合平均「20.2本」に増加した。
特に3ポイントシュートの成功率がリーグ2位の「38.2%」と大幅に伸びたほか、守備面でもスティール(相手のボールを奪った数)が1試合平均「8.9本」とリーグ2位の成績を残している。
反面、リバウンド(シュートが外れたボールをキャッチした数)が1試合平均「34.6本」(リーグ13位)と少ない。
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Q.リバウンドが少ない–
「我々はそもそもリバウンドが強いチームではない。(しかし)リバウンドを取るのはすごく大事な要素なので、頑張らないといけない。もっともっとリバウンドの意識を高めていく必要があります」
Q.選手からは「練習は厳しい」と–
「競争があり、激しい状況で練習をしたい。それが試合への準備の一番いい方法だと思っている。今のところいい練習が積めている。実際、シーズン初めより成長している選手が多い」
「B2は、下位だろうが上位だろうが、どのチームがどのチームにも勝てるチャンスを持っている。
ホームで強くなるのは大事なこと。そのためにはファンの力が必要なので、我々も仕事をしっかりとやり切っていきます」
■成長した自分
神戸ストークス2年目の帰化選手、カロンジ磯山パトリック(25歳 206㎝ 東山高-近畿大 コンゴ民主共和国出身)にも話を聞いた。
ポジションはゴール下で体を張る「センター」で、11月に入って2ケタ得点を4試合連続でマークした。
体の強さが武器だが、今シーズンはゴール下でパスを受けてシュートするだけでなく、外からゴールに向かうドライブシュートなど、より積極的なプレーも見せている。
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Q.プレーが広がった–
パトリック
「自分も2年目なので、いろいろ成長できたのかなと…。ゴールだけだったら、止められる時もある。2メーター10、20(センチ)の選手もたくさんいるので。止められた時に、(再びシュートを)打たないと、(相手にとって自分は)何も怖くない。(シュートが)外れた時にドライブしたり、そういうプレーを増やさないといけないかなって(思う)」
Q.練習は–
「かなりハード。毎日、試合しているような感じです」
Q.ここまで連勝も連敗もあった–
「(チームの状態は)全然悪くはない。やっぱりみんな目標は1つ。プレーオフに入ればいいなと」
Q.4月から「ジーライオンアリーナ神戸」で試合–
「(チーム)全員、楽しみなんです。プレーオフ(進出)が決まって、アリーナで(レギュラーシーズン)最後の試合をやるのが、一番いいんですが(笑)。来年の神戸、新しい神戸にワクワクする」
Q.2026年に「Bプレミア」に参入する–
「早めに決まって良かった。残りのことを、しっかり(やる)。プレーオフもそうやけど、いい成績をあげないといけない」
■12月は神戸で4試合
次節、神戸ストークスは昨季B1の信州ブレイブウォリアーズとアウェイで戦う(11/30、12/1)。
そのあと12月7・8・14・15日と4戦続けて神戸市立中央体育館でホームゲームを行う。
一気に勝ち星を伸ばす12月となるか。
(浮田信明)