2019年、対立する暴力団の組員を拳銃で撃ち、重傷を負わせたとして殺人未遂などの罪に問われていた暴力団組長の裁判員裁判で、神戸地裁は「断定するには疑いが残る」として無罪判決を言い渡しました。
神戸山口組系「山健組」の中田浩司組長(65)は、2019年、指定暴力団六代目山口組系の組員を拳銃で撃ったとして、殺人未遂などの罪に問われていました。
これまでの裁判で中田組長は「私は犯人ではない」と、起訴内容を否認していて、検察側は「証拠を総合的にみると犯人だと合理的に推認できる」などとして、懲役20年を求刑。
一方、弁護側は「防犯カメラの映像は不鮮明で写っているのが被告かどうか分からない」として無罪を主張していました。
10月31日に神戸地裁で行われた裁判員裁判の判決で、丸田顕裁判長は、「証拠から被告人が犯人である可能性は相応ある」としながらも、「そうでない可能性もあると言わざるを得ず、断定するには疑いが残る」などとして、中田組長に無罪判決を言い渡しました。