アパートなどの賃貸物件を不動産会社がオーナーから一括して借り上げ、管理を一元化する「サブリース契約」。この契約の解除を巡り、加東市の男性が大阪の不動産会社を相手取り、近く訴えを起こす方針です。

サブリース契約を巡るトラブルに悩まされているのは、兵庫県加東市に住む会社員の高本博之さん（63）です。

【高本博之さん】
「怒りしかありませんね　『全てはオーナーのために』といううたい文句で 宣伝しているけど全然オーナーのためになってない」

高本さんが加東市内で所有する2棟のアパートは、19年前に父親がおよそ1億5000万円のローンを組み、建てたもので、大阪の不動産会社とサブリース契約を結び、管理を任せています。

当初は一定の家賃収入があったものの、外壁やエアコンなどの内装の補修にこれまで1200万円ほどかかったことや収入面などから、高本さんは契約を解除し、別の業者に売却しようと考えています。

しかし、不動産会社は解約に応じてくれないということです。

【高本博之さん】
「解約に応じてくれるのが当たり前だと思っていたところが『できない』と、賃料などの大事な話は私がいる時に来てもらうのが一番いいのですけれど、平日にこそっとうちの嫁さんに話して帰るとか　面と向かって話したことは正直ない」

契約書には、「いつでも契約を解除することができる」と記載されていますが、不動産会社は、契約書に記載のない借地借家法（しゃくちしゃっかほう）を盾に、正当な理由がなければ解約できないと主張しているということです。

借地借家法は、入居者など「借りる側」の立場を守る法律ですが、高本さんが解約した場合でも、管理が別の業者に移るだけで入居者に不利益はありません。

高本さんは、契約の解除と建物の明け渡しを求めて、近く神戸地裁に訴えを起こす方針です。

【高本博之さん】
「なぜ解約に応じてくれないのか 細かい文書ではなくて対面で話というのもなく電話しかなかったので向こうの誠意のなさも怒りに感じます」

今回のトラブルについて、高本さんが契約している不動産会社は、「個別の事案なのでコメントは差し控える」としています。