「公益通報の調査結果を待つべき」県職員証人尋問とアンケート調査の内容

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■部下が上司に進言していた

 元西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発した文書を巡る問題について、8月23日に行われた百条委員会での県職員への証人尋問とこの日発表された県職員へのアンケート調査中間報告をまとめました。8月23日、百条委員会は県職員6人への証人尋問を非公開で行い、告発文書にあったパワハラ疑惑の一部と同様の証言が得られたことを明らかにしました。

奥谷謙一委員長
「知事がエレベーターを乗る時に叱責をしたのではないかと。覚えていないということでしたが、明確に否定をすることはありませんでした。考古博物館で知事が20メートル歩かされて激怒したのではないかという疑惑でございますが、同様の証言が得られたものと」

告発した元西播磨県民局長が公益通報の調査が終わる前に懲戒処分となったことについて、職員が「調査結果を待つべき」と上司に進言していたことが分かりました。

奥谷謙一委員長
「部下から公益通報の結果が出るまでは処分しない方がいいのではないかと進言があったと。(元県民局長の)処分のためにメールの調査をしたいと」
竹内英明委員
「(部下が)意見をしたが、それが採用されなかった。一旦知事がその意見に従うかような動きを見せたそうなんですね。しかし、特別弁護士の意見を聞いたところ『処分と公益通報は分けて考えるべきだ』と」
百条委員会は、9月5日と6日の証人尋問で贈答品の疑惑に加え、公益通報者保護の問題を調査することを決めました。

県職員から告発文書にあったパワハラ疑惑の一部と同様の証言が得られたことや、
元県民局長の懲戒処分について、「公益通報の調査結果を待つべきだ」と部下が進言していたことが新たに分かりました。

百条委員会が行った県職員のアンケートです。告発文書に記された7つの疑惑について、回答数の約7割に当たる約4600人分を集計した中間報告でパワハラの件は、約4割が見聞きしたと回答しました。
この中でAの「目撃等により実際に知っている」という内容のみ一部紹介します。

 

■選挙演説の呼びかけ

 

 2021年の知事選で、県職員による投票依頼の事前運動が行われたのではないかという疑惑について17人が実際に知っている。37人が実際に知っている人から聞いたという回答がありました。例えば、告示後に「斎藤氏が姫路総合庁舎に選挙演説に来られるので、7級以上の職員は参加するよう事前に話がありました」という具体的な証言がありました。

 

■贈答品疑惑は複数の回答

 

 また、贈答品の疑惑については、自転車やカキなどに関して複数の証言があり43人が実際に知っている、160人が実際に知っている人から聞いたという回答がありました。

 

■「1億円から3億円増額」

 

 続いて、2023年11月の阪神・オリックスの優勝パレードで片山元副知事を司令塔に信用金庫への補助金を増額し、募金として金融機関にキックバックさせたとの疑惑についても3人が実際に知っている、40人が実際に知っている人から聞いたという証言がありました。

 例えば「補助金の補正予算は査定途中で、1億円から片山副知事の鶴の一声にて3億円増額された。知事、副知事の答弁の『前年度予算より減額になっており、増額などしていない』は詭弁でしかありません。不必要な補助金予算が副知事指示により増額されています」という具体的な回答もありました。
 百条委員会では斎藤知事への証人尋問は、8月30日にインターネット中継を含めて全面公開で行われる予定です。

 

 

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