14年前、神戸市北区で男子高校生が殺害された事件で、遺族が加害者の男と両親に対し、およそ1億4900万円の損害賠償を求めている裁判が神戸地裁で始まりました。
2010年10月、神戸市北区の路上で高校2年だった堤将太さんが、当時17歳の男(31)に刃物で刺され殺害された事件では、1審の神戸地裁は男に懲役18年の判決を言い渡しています。
男は控訴している他、地裁が命じた損害賠償にも不服を申し立てています。
遺族は「両親が監督や指導を尽くしていれば、犯行を防ぐことができた」などとして、男と両親に対しおよそ1億4900万円の損害賠償を求めて提訴していて、22日、第1回口頭弁論が開かれました。
意見陳述では将太さんの父・敏さんが、「将太を殺した犯人が逮捕されず事件が長期化するに及んで焦りや不安、悲しみや怒りはより深刻なものになっていきました」などと悲痛な胸の内を明かしました。
男は責任を認める一方、損害額については争う方針で、両親は監督責任と損害額の両方で争う姿勢を示しています。