斎藤知事批判文書問題 百条委員会で元県民局長が残した陳述書や音声データが公開

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斎藤知事のパワハラや贈答品を受け取っていたなどの疑惑が記された文書を調査するための百条委員会が2024年7月19日開かれ、この文書を作成した男性が残した陳述書や音声データが公開されました。

午後1時半からの百条委員会の開催を前に、兵庫県庁の前では斎藤知事の辞職を求めるおよそ100人の県民らが抗議活動を行いました。

参加した人は-

「何が理由で この状況で粘れるのかなって逆に感心します」

「この期に及んで 斎藤知事の責任の取り方というのは辞職以外ないと思います」

本来であれば元西播磨県民局長の男性(60)の証人尋問が行われるはずだった7月19日の百条委員会。

しかし、男性は2024年7月7日、姫路市内の民家で死亡しているのが見つかりました。委員会の冒頭では黙とうがささげられました。

7月12日、男性の遺族から県議会事務局に届いたメールには「死をもって抗議する。百条委員会は最後までやり通してほしい」という、男性が生前に残したメッセージが記されていました。

また、メールには、7月19日に行われるはずだった証人尋問に備えて用意された陳述書と上郡町で斎藤知事がワインを「おねだり」したとされる音声データが添付されていて、百条委員会では、これらが資料として公開されました。

公開された音声データ『ワインをちょっとまだ私は飲んでいないのでぜひまた この間はイチゴ ジャム 塩はあれですけどまた折を見て よろしくお願いします』

これについて斎藤知事は、報道陣の取材に応じ、ワインを受け取ったことは事実だと認めた上で、「県の特産品をPRするためだった」と釈明しました。

斎藤知事「ご指摘いただいたワインについて私もまだ飲んだことがないのでまたぜひ折を見て飲むなり現場の状況を見に行くなりとの趣旨を含めてよろしくお願いしますという発言をした。仕事として県政策として産業振興の一環で大事なことですから飲ませていただきました。批判いただいている方の声も真摯に受け止めて、応援を心からしていただいている方もおられますので、その声にも感謝しながらしっかり県政を担わせていただくのが私のやるべき責任」

一方、上郡町の梅田修作町長も午後から会見を開き、一連の報道について説明しました。

梅田町長「以前から上郡町にワインという特産品ができたことを知っていただきたいと思っておりまして、知事に会う機会があればお渡ししたいと思っておりました。知事の(要求)発言を聞きまして、渡してないことに気付きました」

要求を聞いた梅田町長は後日、知事と再会した際に観光協会から提供されたワインを渡したとし、知事からの「要求」は「おねだり」とは感じなかったと説明しました。

梅田町長「その発言を“おねだり”とは感じとっていませんでしたが、兵庫県知事が公の会議の場で発言されたことは非常に重いと思いますので それに多少は影響されて町長としてワインを用意させました」

元県民局長が記した文書を巡る問題。

次回の百条委員会は2024年8月2日に行われ、証人尋問の取扱いについて検討し、8月下旬から知事のパワハラの疑いや贈答品疑惑などの証人尋問を行う予定です。

元西播磨県民局長の男性が残した陳述書には、
斎藤知事のパワハラ疑惑について「知らなかった」「気にいらない」「配慮が足りない」「生意気だ」「自分より目立った」といった知事の不都合、不満が原因となった叱責、罵倒が記載されています。

「この理不尽さに職員は耐えられないと思います」などと、見聞きした様々な事例や見解が書かれていました。

また、贈答品についても企業から知事個人が物品の提供を受けることは収賄にあたる可能性があると指摘。ワインとぶどうジュースは1本ずつで、定価は5500円と記されていました。

また、委員からは県職員が百条委員会で証言しづらい規定があり、県に対して撤回を求める申し入れもありました。

内容は、県職員が証人として出頭し職務上の秘密や職務上知り得た証言をする場合、事前に守秘義務免除の申請を行い、各部の総務課長から承認を得るというものでした。

委員からは「事前に総務課長の承認を得るのはありえない。事実を述べようとする職員の大きな負担となる」という声もありました。

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