「事故は風化しても安全は残ってほしい」 明石歩道橋事故から23年を前に市が新人研修

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11人が犠牲となった明石歩道橋事故から7月21日で23年となるのを前に、明石市は事故の教訓を伝えようと新人職員に向けた研修会を開きました。

2001年7月21日、JR朝霧駅南側の歩道橋で花火大会の直後に群衆なだれが発生し、高齢者や幼い子どもを含む11人が死亡、247人が重軽傷を負いました。

明石市は、事故の再発防止を図るとともに市民の安全を担う職員としての自覚を持ってもらおうと10年ほど前から毎年、新人職員に向けた研修を行っていて、19日は2024年に入庁したおよそ50人が参加しました。

午前の研修では、当時現場で警備などに当たっていた職員が事故の状況を説明し、市民の安全を確保するという意識が、十分ではなかったと振り返りました。

明石市総合安全対策室 上田さん:「お子さんもいて お年寄りもいてという中であの混雑で、普通に過ごせているとは思えない。動こうという風にも思えていなかった。相手の立場に立てていなかったと思っています」

この後、職員たちは現場となった歩道橋を訪れ、事故で当時2歳だった次男の智仁ちゃんを亡くした下村誠治さんから当時の体験や思いを聞きました。

下村誠治さん:「歩道橋に入ったのが午後7時35分、もちろん出ることなく事故に遭った。いつ(息子が)亡くなったか分からない。そういう状況でずっとしんどい思いをしながらやってきました」

新人職員:「実際にご遺族の話を聞いて、いかに現場がパニック状態であったか、苦しい思いをたくさんされている方がいらっしゃったというのは実感しました」「今後どうしたらいいかということを想定して、リスク管理をした方が良いと感じました」

下村誠治さん:「この事故は風化しても良いです 50年経ったらします。誰も知らないようになって、でも安全 安心は明石には残ってほしい。これが僕の願い」

職員たちは、犠牲者の冥福を祈って黙とうを捧げ、事故の再発防止を誓っていました。
事故が発生した7月21日には、明石市の丸谷市長らが献花する予定です。

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