川崎重工業が、下請け企業との架空取引で資金を捻出し、潜水艦の乗組員に金品や物品などを提供していた疑いがあることが分かりました。
川崎重工業によりますと、船舶の修繕を行う神戸造船工場の修繕部は、下請け企業との架空取引で会計帳簿に記載しない資金を捻出し、海上自衛隊の潜水艦の乗組員に商品券や工具の他、飲食代を提供していた疑いがあるということです。
不正な資金捻出は遅くとも6年前から始まり、流用した額は少なくとも十数億円に上るとみられています。
ことし2月に大阪国税局から指摘があり、その後の調査で発覚しました。
これを受けて川崎重工業は、6月中旬に特別調査委員会を立ち上げ金品などの流れを調べていて「本件を重く受け止め、真相解明と合わせてコンプライアンス、ガバナンス強化に向けて体制改善に努めてまいります」とコメントしています。
潜水艦の乗組員にとって川崎重工業の職員は利害関係者に当たり、事実と認められれば、自衛隊倫理法に基づき懲戒処分となる可能性があります。