旧優生保護法の下で障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に損害賠償を求めた裁判で、最高裁は7月3日、旧優生保護法は憲法に違反するとし、国の賠償責任を認める統一判断を示しました。
この裁判は、1948年に制定され、障害のある人たちに不妊手術を強制した旧優生保護法は憲法に違反するとして、国に損害賠償を求める裁判が全国で相次いだもので、兵庫県では5人が訴えを起こしていました。
裁判では、不法行為から20年経つと賠償を求める権利が失われる『除斥期間』が争点となっていて、国は「除斥期間が過ぎているため、賠償を求める権利はなくなっている」などとして請求の棄却を求めていました。
そして7月3日午後、最高裁大法廷で言い渡された判決は。
最高裁は、「旧優生保護法は憲法に違反する」とした上で、「訴えが除斥期間の経過後をもって国が賠償責任を逃れることは著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない」などとして20年の除斥期間を適用せず国に賠償金の支払いを命じました。
最高裁はこの判決を統一判断として示し、法律の名のもと理不尽に未来を奪われた被害者の救済に一定の道筋がついた形です。