7月1日で能登半島地震の発生から半年となります。石川県輪島市で輪島塗の漆器店を経営する男性が28日、西宮市の大学で講演しました。
「被災地の現在と未来」をテーマに西宮市の関西学院大学で開かれた能登半島の復興支援フォーラム。
会場では、大学の災害復興制度研究所が輪島市や珠洲市などを取材したドキュメンタリーが上映され、被災状況や被災者の声が学生たちに伝えられました。
フォーラムでは、輪島塗漆器の老舗専門店を経営する田谷昂大さんが講演。
輪島市にある田谷さんの工場と事務所は地震で全壊し、現在、工場は市による公費での解体作業を待っている状況です。
発災時輪島市の実家にいた田谷さんは、つぶれそうになった家の窓から2歳の息子を投げて弟に託したことや、生き埋めになった祖母が救出されるまでの話など、自らの被災経験を語りました。
また、輪島塗を販売し地元の経済を立て直すことが自分にできることだと考え、再建に向けて動いた過程や思いを述べました。
石川県は阪神淡路大震災でも掲げられた創造的復興を目指していて、田谷さんは「能登半島は高齢化が進んでいるがポテンシャルがあり、地震前よりも魅力的なまちにしたい」と復興への思いを語っていました。