■日本で学んだ
ラグビー・リーグワン1部のコベルコ神戸スティーラーズ(前名:神戸製鋼)で今シーズン、プレーしたアーディ・サベア(FW ニュージーランド 30歳)が5月10日、シーズンを終えて退団の記者会見を行った。
サベアはオールブラックスのメンバーとしてワールドカップ2023フランス大会で活躍。
昨年のワールドラグビー年間最優秀選手に選ばれ、大きな注目を集めて神戸スティーラーズに入団した。
フランカーやNo.8として、全16試合中、15試合に出場し、チームトップタイの8トライを挙げたほか、
*ボールキャリー(ボールを持ってプレーした回数):172回(リーグ5位、チーム1位)
*ゲインメーター(ボールを持ってゲインラインを越えてプレーした距離):908m(リーグ8位、チーム2位)
*ディフェンス突破:65回(リーグ5位、チーム2位)
*オフロードパス:25回(リーグ4位、チーム1位)
*タックル成功:177回(リーグ6位、チーム1位)
と、攻守にわたって素晴らしいプレーを披露した。
記者会見では最初に「1年間、神戸で過ごせた嬉しい気持ちと、去らねばならない悲しい気持ちが入り混じっています」と挨拶したあと、報道陣の質問を受けた。
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Q.日本でプレーして難しかったことは–
「まずは言葉の壁があったが、日本人の“兄弟たち”がいい言葉とか教えてくれた。試合に関しては、日本人のラグビーはスピードが段違いに速く、タックルも低かった。自分自身、とてもいい学びになった」
Q.チームは(プレーオフ進出にあと一歩の)5位。贈る言葉は–
「いい質問です(笑)。まずは自信を持ってほしい。ゲームプラン、チームが決めたことをしっかり信じて取り組んでほしい」
■本能で“背面トライ”
Q.3月のトヨタ戦で背面トライ–
「(独走して最後に)足がもつれて転びそうになったので、本能的に、ああいうダイブが生まれたと思う」
Q.今後は–
「まずはのんびりしようと思う。スーパーラグビー、ワールドカップ、リーグワンと2年ぐらいラグビー漬けだったので。しっかり家族と過ごしてリフレッシュしたい。オールブラックスに選ばれたらベストを尽くす」
Q.次の所属先は–
「まだ何も決まっていない」
Q.日本のラグビーがレベルアップするには–
「(オールブラックスが10月に来日し、日本代表と対戦するので、答えを)言っていいのかな(笑)。日本は間違いなく強くなっている。いい方向に行っている。それぞれの選手が、やっていることを信じて突き詰めていけば、普通に強くなっていくと思う。魔法の言葉はない」
Q.また日本でプレーするか–
「神戸で過ごした時間はとてもいとおしく、忘れがたい。チャンスがあれば日本に帰ってきたい気持ちはある。その時は神戸スティーラーズに連絡して、チャンスがもらえないか聞いてみようと思う」
会見の最後に取材への感謝の言葉を述べ、報道陣の拍手を受けながら世界のスーパースターは会見場を去った。
(浮田信明)