多くの市民から愛され天国へと旅立ったタンタン。神戸で暮らした24年間を振り返ります。
1995年に中国の四川省で誕生したタンタンは、阪神淡路大震災で傷ついた人々を勇気づけようと、2000年7月16日、王子動物園にやってきました。
タンタンを一目見ようと、連日家族連れなどで長蛇の列ができ、街にはパンダグッズやモニュメントも登場。神戸の街はパンダ一色に染まりました。
オスのジャイアントパンダ「コウコウ」と繁殖にも取り組み、2008年には赤ちゃんを出産しましたが、残念ながら赤ちゃんは育つことなく、生後4日で息を引き取りました。
2010年にパートナーの「コウコウ」に先立たれ、王子動物園唯一のジャイアントパンダとなったタンタンは、園のシンボルとしていつしか「神戸のお嬢様」と呼ばれるようになりました。
当初、2020年に中国に返還されるはずでしたが、新型コロナ感染拡大の影響や体調の面から延期に。その後、心臓に病気が見つかり、おととしからは一般公開も中止となっていました。
そして、去年9月16日、28歳の誕生日。久しぶりにタンタンの元気な姿が報道陣に公開されました。
人間でいえば100歳近い年齢ながら、その愛らしさは変わりませんでした。
いつもかわいらしく、おちゃめなその姿で、復興への歩みを共にしてくれた24年間。多くの人に愛された「神戸のお嬢様」は、3月31日、28年の生涯に幕を閉じました。