障害のある人たちに不妊手術を強制した「旧優生保護法」の問題を取り上げた映画が完成し、兵庫県神戸市で上映会が開かれました。
神戸市長田区で開かれた上映会には、これまでにも障害者差別の歴史を取り上げた映画を製作してきた監督の谷進一さんや俳優陣が登壇しました。
映画「沈黙の50年」は、1948年に制定し1996年まで施行されていた、障害者に不妊手術を強制した旧優生保護法と差別の歴史を取り上げた作品です。
映画では、聞こえない人同士結婚した、明石市の小林さん夫妻が差別に苦しめられただけでなく、国によって子どもを産み育てる権利までも奪われた葛藤や苦悩を描いています。
4日は、映画製作の資金を出資した人たちなどが招かれ、完成した作品を噛みしめながら人間の尊厳を踏みにじってきた負の歴史への理解を深めていました。
旧優生保護法を巡っては、全国の被害者が相次いで国に損害賠償を求めて提訴していて、この夏に最高裁が統一判断を示す見通しです。