第二次世界大戦末期に広島に投下された原子爆弾の被爆者の体験を語り伝える授業が兵庫県西宮市の武庫川女子大学で開講しました。
武庫川女子大学で今学期から開講したのは、広島の被爆体験を伝承し、被爆者の平和への願いを学ぶ科目で、講師は大学の卒業生で新聞社に勤務する小国美弥子さんが務めます。
小国さんは、広島の被爆者から直接体験を聞き次世代に語りつぐ伝承者として、広島市から認定されています。
祖母の戦争体験をきっかけに歴史の語り部を志した小国さんは、仕事の傍ら広島に通い、高齢化する被爆者の体験や思いを伝える活動を行っています。
戦時中は武庫川女子大学がある兵庫県西宮市でもたびたび空襲があり、大学校舎の大半を焼失するなど当時大きな被害を受けました。
現在も世界で、ウクライナ侵攻やガザ紛争など緊迫した状況が続く中、小国さんは講義を通じて戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝えていくことの大切さを訴えました。
大学では、授業を通じて学生には戦争を「自分ごと」として考える機会にしてほしいという意図から、小国さんの授業は全学部学科の学生が履修できる共通履修科目として実施されています。