■今シーズン成績
19勝0敗(V2レギュラーラウンド18試合、ファイナル1試合)
失セット1(セット率54.00)
アタック決定率 43.3%(リーグ1位)
1セットあたりブロック本数 3.24(リーグ1位)
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女子バレーボールVリーグ2部(V2)ヴィクトリーナ姫路は3月24日のファイナルにストレートで勝利し、無敗でV2優勝を決めた。
昨シーズンはV1で最下位となり、入れ替え戦にも敗れて思わぬV2降格となった。
チーム立て直しのため、オランダ女子代表監督などを務めた“名将”アヴィタル・セリンジャー氏(65歳)を招聘。
新監督は就任会見で「負けることが成長につながる」と語り、練習でも試合でも常に「100%」で臨むことを選手に求めた。
選手の意識改革を進める一方、日本代表スパイカー井上愛里沙、セッター柴田真果、タイ代表モクシー・チャッチュオンらを獲得。
V2ながら代表クラスが揃った強力なチームに生まれ変わった。
■悔しさ乗り越え
6シーズンにわたってチームの主力を担っているセッター対角(ライト)田中咲希(27歳)はファイナルでも先発出場し、スパイク・ブロック・サービスエースで計9得点を挙げた。
試合後の記者会見で田中は声を詰まらせ涙ぐんだ。
「(V2に)落ちてしまった中で、いちばん思いが強い選手たちが残ってくれた。コートに立たせてもらった自分が、入れ替え戦を経験した選手の代表として……しっかりきょうはやり切りたいという強い気持ちで……やっていた。チーム一丸となった試合だった」。
同じく入れ替え戦を経験した日本代表・宮部藍梨(25歳=ミドルブロッカー)も、「みんないろんな思いがあってチームに残る決断をして練習してきた。『100%』と言われながら、新しい監督のもとでやってきたことが間違ってなかった」。
キャプテン松本愛希穂(26歳)は、「私もあの入れ替え戦を経験した一人としてもちろん悔しさもある。でも結果として晴らせたことは本当に良かった。一番いい試合ができた」と語った。
■「S-V」見すえて
来シーズンは、V1に替わるトップリーグとして、「S-Vリーグ」が新たにスタートする
先週、ヴィクトリーナ姫路はじめ女子9クラブ、男子12クラブに「S-V」ライセンスが交付された。
4月に最終的な「S-V」参入クラブが決定する。
ファイナルでチーム1の18得点を挙げた井上愛里沙(28歳)は、「このメンバーでやる最後の試合だったが、個人的には、それぞれの始まりの試合になると思う。今シーズン取り組んだことを全部発揮して、その上で来シーズンがあると思って試合に臨んだ」。
宮部は、「今季で積み重ねてきた経験やスキルに、(さらに)いいものを積み重ねていって、S-Vリーグを盛り上げるチームになっていけるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを見せた。