瀬戸内海に春の訪れを告げるイカナゴの稚魚「シンコ」の漁が3月11日、播磨灘で解禁され、明石市内の漁港でも水揚げされました。
午前10時半ごろ、兵庫県明石市の林崎漁港に早朝からシンコ漁に出た漁船が戻ってきました。
イカナゴの稚魚「シンコ」はしょうゆや砂糖で甘辛く煮た釘煮が関西の春の味覚として親しまれています。
しかし、近年は不漁が続いていて、兵庫県によりますと、かつては1万トンから3万トンあった漁獲量が1000トン台にまで激減。
水温の上昇や水質改善により海中の窒素やリンが減少し餌となるプランクトンが減ったことが一因とみられています。
11日に水揚げされたシンコは早速競りにかけられると、1籠約25キロあたり林崎漁港で過去最高となる約17万円で取り引きされました。
シンコ漁は大阪湾では資源保護のため自主休漁となっていました。
水揚げされたシンコは早速鮮魚店などに届けられ、明石市の商店街では、待ちわびた多くの人が列をつくりました。
(買い物客)
「8キロ、ちょっと大きいですよね。いろいろお世話になった方々に送ってますので」
「これに合わせて名古屋からこちらに来まして、値段は目が飛び出ます」
商店街にはすでに釘煮を炊いているお店もあり、辺りには香ばしい匂いが広がっていました。
兵庫県は、播磨灘でのイカナゴのシンコ漁を11日で終えると発表しました。
水揚げ量が少なかったことや、来年へ資源を残すためとしています。