2021年、兵庫県神戸市西区の精神科病院で入院中だった女性が肺塞栓(そくせん)症で死亡したのは、違法な身体拘束が原因だとして遺族が2月14日、病院に対しおよそ9200万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こしました。
訴えを起こしたのは、統合失調症の治療で入院していた際に肺塞栓症で死亡した岡田幸子(おかだ・さちこ)さん(当時47歳)の80代の父親です。
遺族によると、幸子さんは2021年3月に持病の統合失調症の悪化のため神戸市西区の精神科病院「関西青少年サナトリューム」に入院。 興奮、多動状態にあると診察され、隔離、身体拘束が行われました。
幸子さんは、7日目に容体が急変し、肺塞栓症で亡くなりました。
原告側は、病院が7日間身体拘束を安易に継続したことが法令上の要件を満たさず違法だなどとしておよそ9200万円の損害賠償を求めています。
幸子さんの妹
「なぜ姉が亡くならないといけなかったのかという思いと、このような人を増やしたくないと思い裁判を決意しました」
妹の夫
「(入院して)あしたあさってで命を落とすような病状ではなかったので病院の管理体制を追求したい」
病院側は、「訴状が届いていないため、コメントは差し控える」としています。