■浦和と対戦
女子サッカー日本一を決める「第45回皇后杯」の決勝戦が1月27日に行われる。
女子プロサッカーWEリーグで首位を走るINAC神戸レオネッサは、7シーズンぶりの制覇をめざす。
ちふれASエルフェン埼玉と戦った準決勝(20日)では、2度先行したがそのつど追い付かれ、2-2で延長戦へ。
延長戦終了まぎわ、MF北川ひかるのロングシュートでINAC神戸が劇的な勝利を収めた。
決勝の相手、WEリーグ2位の三菱重工浦和レッズレディースは一昨年の皇后杯を制し、昨シーズンはWEリーグ優勝を遂げた強豪。
2011年ワールドカップ優勝メンバーで41歳のFW安藤梢をはじめ、MF猶本光(なおもと・ひかる)ら日本を代表する選手が揃う。
■ディフェンスが安定
24日の練習後、INAC神戸のジョルディ・フェロン監督(スペイン)が報道陣の取材に応じた。
—浦和の印象は
「素晴らしいチーム。フィジカル的にもくるし、空中戦の競り合いにも強い。カギになるのは猶本選手。準決勝でも活躍した」
—チームは
「非常にディフェンスが安定している。申し訳ない…準決勝はちょっと失点したが、失点が少なくボール・ポゼッション(保持)ができている」
「ウイングバックでアップダウンができる守屋都弥選手、北川ひかる選手がこのチームにいる」
—どう戦う
「相手に読まれないサッカーをしないといけない、というのが私の考え方だ」
■全部出せれば取れる
攻守の要となる、MF成宮唯(なるみや・ゆい)、DF三宅史織の両選手も取材に応じた。
<成宮>
—決勝戦への思いは
「去年、ヨドコウ(桜スタジアム)で、決勝で(日テレ・東京ベレーザに)0-4で(敗れて)本当に悔しい思いをした。同じ会場で、いい思い出はないが、払拭できるよう取りたい」
—チームの状態は
「すごく順調に来ている。長年、同じメンバーでやっているので、コンビネーションは他のチームより優れている。泥くさく、今までやってきたことを出せたら勝てる」
「油断は全くしていないし、浦和レッズをリスペクトしているが、自分たちは波に乗って、自信を持ってやれている。それを全部出せれば(タイトルを)取れる」
<三宅>
—守備がいい
「自分たちのおかげではない。前からの守備や、みんなが(前線から)帰ってくれるから、自分たちも力を出せている。(準決勝で)2失点したが、点を取ってくれて、みんなに助けられていると感じた」
—相手は
「レッズは“大きい”、“速い”、“強い”。うちの選手の方が絶対的に小さいが、最初からあきらめず、一人ひとりには負けないということをしっかりやれば」
—どんな監督
「楽しむところは一緒に楽しみ、落ち込むところは一緒に落ち込む。ふざけてたら怒られます(笑)。一緒に戦ってくれるので、タイトルを取らせてあげたい。自分たちも取りたい」
■皇后杯V7を
皇后杯はプロチームをはじめ、高校・大学・クラブなどが参加し、トーナメント戦で「日本一」を決める。
INAC神戸は2010シーズンに初めて皇后杯を制覇し4連覇。
2015、2016シーズンにも連覇したが、その後6シーズン優勝から遠ざかっている。
昨シーズンはWEリーグも2位に終わりタイトルを逃した。
2024年はタイトル奪回から始まる!
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27日の決勝戦は、ヨドコウ桜スタジアム(大阪市)で午後1時キックオフ。
(浮田信明)