1月17日で阪神淡路大震災から丸29年を迎えます。16日で45歳の誕生日を迎えた尼崎市出身の俳優・賀集利樹さんが伝えたいメッセージと災害への備えとは?
『仮面ライダーアギト』の主役を演じるなど、ドラマや舞台で活躍する俳優の賀集利樹さん。尼崎市出身で誕生日が1月16日。阪神淡路大震災の時は高校1年生でした。
地震が発生した1995年1月17日の午前5時46分。賀集さんは、偶然にも揺れる直前に目を覚ましていました。
(賀集さん)
「電気を消そうと立ち上がったら、最初のドーンという縦揺れがきまして、そこからですね。
ゴーっという横揺れになってすぐに2段ベッドの下に隠れまして。揺れが収まるのを待ったのかな」
6434人が亡くなった阪神淡路大震災。賀集さんが感じたのは、尼崎市から武庫川をはさんだ西側の地域の被害の大きさでした。
(賀集さん)
「武庫川を渡って西宮市に行くだけで、もう天国と地獄っていうぐらい景色が違ったので。
公園だったりいろんなところに青いテントを立てている人がいたり、家中の瓦が無くなっているのでブルーなんです、景色が」
尼崎市内でも、築地地区で液状化の被害が発生するなど49人が亡くなりました。
賀集さんの自宅に大きな被害はありませんでしたが、2週間ほど断水が続き、不便な生活を余儀なくされました。
(賀集さん)
「トイレの壁のタイルがバラバラと落ちていたりとかして、あとはタンスが倒れてきていたりとか、食器類は無事だったんですけど水道管だけ破裂しまして」
-被災した際の水の存在は?
「大切ですね。なので、普段から備蓄として常に2リットルの水が4ケースぐらいある状態を保っているので、今でも震災を経験したからこそずっと続いているものなのかなと思いますね」
震災後、俳優になった賀集さんは、消防団の活動の啓発PR動画に出演。芦屋市主催の震災の朗読会に参加するなど積極的に、防災活動に携わってきました。
(賀集さん)
「この地震を経験した人、経験していない人知らない人たちにも、こういうことがあったっていうことを知ってもらいたいし、僕たちは忘れてはいけないなという思いからですね」
賀集さんは、今でも寝室の枕元に必要最低限のものをまとめたリュックサックを置いて備えています。
(賀集さん)
「起きてからじゃ遅い。起きる前に、例えば、家族とどうしようという行動を前もって一緒にシミュレーションしておくことがとても大事だと思います。
『もしこうなったら●●に行こう』と、お互いが一緒の位置にいればいいけど、別々に離れていたら、『●●で合流しよう』っていう決めごとを決めておくことが大切だなと思いますね。
本当に備えというものがあれば自分の命が助かると思うので。
いざ震災が起きた時にどういう行動をしたらいいか。どういうものがあればいいか。その後生きることができるのかっていうものを、ちゃんと知識もそうですし、考えていっていただけたらなと思います」
16日で45歳の誕生日を迎えた賀集さん。震災を知らない世代に向けて「震災っていうものは本当に起きないと思っていても、いつ起きるかわからない」と備えを訴えていました。