■目まぐるしい攻防
<リーグワン1部 第5節>
コベルコ神戸スティーラーズ 34-38 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
———–
ラグビーの国内リーグ・リーグワン1部のコベルコ神戸スティーラーズは1月14日、ノエビアスタジアム神戸で、昨季の覇者、クボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦した。
前半7-17とリードされたスティーラーズは、後半開始すぐに2本のトライを決めて19-17と逆転したが、このあと反則が相次ぎ、スピアーズに3本のペナルティゴールを献上。
トライ・ゴールも許し22-33と再びリードされた。
しかし後半29分、マイボールラインアウトからフォワードとバックスが一体となって連続攻撃を仕掛け、最後はナンバー8のティエナン・コストリー(オーストラリア出身)が飛び込んでトライ(ゴールも成功)。
さらに35分、センター・李承信(日本代表)が蹴ったボールをウイング・山下楽平がキャッチし、フランカーのサウマキアマナキ(トンガ出身 日本代表)にパス。
サウマキアマナキが倒れながら右すみにトライを決め34-33と逆転した。
■終了間際に暗転
ところがスティーラーズは、終了間際の39分、得点後のキックオフで蹴り込まれたボールをうまく自陣から出せず、逆に、ボールをキャッチしたスピアーズが猛攻。
最後はスピアーズのセンター、リカス・プレトリアス(南アフリカ出身)にトライを決められ、土壇場で逆転負けした。
スティーラーズは相手を上回る5トライを挙げながら、与えた計4本のペナルティゴールが痛かった。
終了後、キャプテンのブロディ・レタリック(ニュージーランド代表)は、「自陣の奥深くから(ボールを)正しく脱出させられなかった。しっかり蹴り出して相手にプレッシャーをかけるべきだった」と語った。
■2連勝から3連敗
昨シーズン、ワーストの9位に沈み、チーム再建に取り組んだスティーラーズは、今シーズン開幕2連勝と好スタートを切った。
しかし、昨シーズン5位の東芝ブレイブルーパス東京、3位の東京サンゴリアス、優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイに対して、いずれも惜しい試合を落とし、順位は5位から8位に後退した。
デイブ・レニーHC(ヘッドコーチ)は現状打開策について報道陣から問われ、「敗れた3試合は、大事な瞬間に自分たちがミスをして勝利を手放してしまった。3連敗したが、勝つために必要なことは十分できていることを忘れないようにしたい」と語った。
■能登半島地震へ義援金
14日、試合会場では選手らが能登半島地震への義援金募金を呼びかけ、観客が協力していた。
また試合前には、能登半島地震と、まもなく「1.17」を迎える阪神・淡路大震災への選手メッセージ動画が流され、会場全体で黙禱も行われた。
(浮田信明)