【記者解説!目撃アノ現場】高校入試の追試「生理痛」も対象へ

  • X
  • Facebook
  • LINE

国が高校入試の追試の対象としているのは、現状、新型コロナやインフルエンザなどです。女性特有の生理に伴い月経痛などの症状が起こる「月経困難症」は含まれていません。

実は、自治体によってばらつきがあります。

月経困難症について全国47都道府県の教育委員会に聞き取り調査をしたところ、「追試の対象になる」が14、15が「追試の対象にならない」と回答しました。どちらでもなく、「対象にするかどうかは個々の状況に応じて校長先生が判断している」などが18ということでした。

兵庫県は現状、追試の対象にはなっていませんが、暖かい別室で受験させるなどの配慮はしているそうです。

月経時のつらい症状について街の女性に聞きました。

【街の人たち-】
「突かれてるみたいな、後ろから刺されてるみたいな感じ」
「骨盤をぎゅっと締め付けられるような痛みが(生理の)約2日前くらいから始まって、4日間くらいはかなり痛い」
「ずっしり重い感じ。イライラすることが私多いので」「その辺を見てカバーしながらという感じ」

そもそも月経困難症でどのような症状が起きるのか、神戸市内の産婦人科医に聞きました。

【はしもと産婦人科 橋本尚医師】
「子宮がぎゅっと収縮する時に痛みを感じて、痛みだけじゃなくて気持ち悪くなったり頭が痛くなったり、全部、月経困難症という病気」

この日も月経困難症に悩む女性が来院しました。

【患者】
「前回の生理が来た時に生理痛、今までそんななかったんですけど、吐いたりとか気分悪くて」
【橋本医師】
「生理の痛みについては痛み止めで対応できるんだけど、気持ち悪いとかはピルの方が良いかもしれない」

人によって症状はさまざまですが、痛みのつらさに悩んでいる人もいました。

そんな中、自治体の対応にばらつきがあることもあり、文科省は11月、月経による体調不良で高校入試を欠席した場合、追試の対象にするよう求める方針を年内に全国の教育委員会に出すと発表しました。

兵庫県教育委員会は国の通知を受けてから検討していくとのことですが、現時点ではどのような対応になるか分からない状況です。

中学生からは追試の対象にしてほしいという声が上がっています。

【中学3年生】
「勉強してるときに眠くなるのもテスト中になったら困るので、(追試)対象にしていただけたらうれしい」
「お腹をぎゅっとされるというか、トイレに行こうと思うけれど痛すぎて行けないみたいな痛みが続く。
私は(追試が)あってくれた方がありがたい。」

とはいえ来年すぐに自治体が追試の対象にするかどうかは分かりません。また、どうしても当日に試験を受けたい学生もいるかもしれません。

大事な試験と生理が重なりそうなときの対策などについて産婦人科医に聞きました。

【橋本医師】
「痛みって誰にも分からなくて、点数で付けるとかもないし。若い子の生理痛って原因がないことがほとんどなので、こうすればよくなるとかはっきり分からないので(追試対象に)入ってこないのかなと思う」
「ちょうど今くらいで来年の試験に向けてこられる方はいる。今くらいの時期からでも遅いくらいで、治療して『受験のとき集中したいので』と来られる方人いる」
「生理痛がひどい方の場合だったら、痛み止めを早めに飲んでしまって、痛くなってから飲むよりも痛む前に痛み止めを飲んで対策をする。どうしても不安であればピルで生理をずらしてしまうという方法もある」

医師によりますと、「早めに婦人科を受診する、薬を事前に飲んでおく、体を温めるなどの対策で症状は緩和できる」ということです。

来年の高校入試では生理痛が追試の対象となるのか、兵庫県教育委員会の動きに注目が集まります。

おともだち登録するだけ! LINEでニュースを読もう! ともだち登録をする 毎週配信(月・火・金) 1回で8記事をダイジェスト形式で配信。