阪神淡路大震災当時、いち早く駆けつけ被災地を撮影したサンテレビの元カメラマンが兵庫県の神戸大学で、あの日の記憶と思いを伝える特別授業を12月11日に行いました。
講師を担当したのは、サンテレビの元カメラマンで現在は番組プロデューサーを務める井田和秀さん(60)です。
(サンテレビ・元カメラマン 井田和秀さん)
「燃え盛る炎で熱くて汗をかくほど(煙で)暗い状況で、なおかつ1月なのに暑い。恐怖心というか、カメラを放り出して救助活動に走ったらもうカメラを持たなくなるんだろうなというのがあって」
サンテレビは、2020年から神戸大学などと協力し震災映像の保存に取り組んでいて、授業の一環で、肖像権を考慮しながら映像を一般に公開する際の是非を判断する議論に、教授らの他、学生らも加わっています。
いち早く会社に駆け付けて撮影に向かった井田さんは、世界で自分しかカメラを回していないと考えながら記録をしていたことや救助か撮影かを決断する葛藤などを語りました。
(学生)「震災を経験しなかった者がこれを見てどういう風に活用してほしい?」
(井田和秀さん)「1995年1月17日に地震が起こった。これからの世代に伝えていっていただくのも皆さんの仕事やと思うんですよ。自分自身の命と大切にしている人の命を守るのは自分だ」
(学生)
「映像を見させていただきながらいろいろやっているわけですけど、撮った方から直接お話を聞けるのはすごく貴重だなと。救助と撮影というのがてんぴんにかけられていたというのは、今から想像しても比べることができないくらいの相当大きなジレンマがあったんだろうなと」
サンテレビの震災映像は、サンテレビの公式YouTubeのほか、子どもたちの震災教育や防災研究での活用を目的に神戸大学付属図書館震災文庫のホームページでも公開されています。