■V1首位vsV2首位
<皇后杯 準々決勝>
ヴィクトリーナ姫路 1-3 JTマーヴェラス(12/10)
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女子バレーボール皇后杯・準々決勝4試合が12月10日、行われ、Vリーグ2部(V2)首位(7勝0敗)のヴィクトリーナ姫路は、1部(V1)首位(11勝0敗)のJTマーヴェラスと対戦した。
V2ながら日本代表の井上愛里沙、宮部藍梨、柴田真果の3人が先発したヴィクトリーナ姫路は第1セット、井上のスパイク、宮部のブロックなどで優位に立ち、24-22とセットポイントを握った。
しかし、JTのエース、東京五輪金メダリストのアンドレア・ドルーズ(191㎝)の連続スパイクで24-24のデュースに持ち込まれ、最後もドルーズにスパイクを決められてセットを失った(24-26)。
第2セットも、井上と並ぶエース、タイ代表のチャッチュオン・モクシーの強打などでヴィクトリーナ姫路がペースをつかみ、24-23と再びセットポイントを握った。
しかし粘るJTにデュースに持ち込まれ、さらにセットポイントも握られたが、ここから宮部のスパイクや相手ミスで3連続得点を挙げ第2セットを奪った(28-26)。
第3セットは19-25でJTに押し切られ、後がなくなったヴィクトリーナ姫路は第4セット、18-22と追い詰められたが、JTの連続ミスに乗じて23-23の同点に追い付き、セッター対角(ライト)田中咲希の絶妙なフェイントで、24-23とセットポイントをつかんだ。
JTはドルーズのスパイクでデュースとし、24-24からモクシー・井上とドルーズが互いに強烈なスパイクを打ち合い、息詰まる攻防となったが、最後は井上のスパイクがドルーズにブロックされ、力尽きた(27-29)。
ヴィクトリーナ姫路は、アウトサイドヒッター(レフト)の井上・モクシー、ミドルブロッカーの宮部と伊藤麻緒、ライト田中の5人を、セッター柴田が巧みなトスさばきでコントロールし、リベロの森田茉莉は相手の強打を何度も好セーブした。
各選手が、アヴィタル・セリンジャー監督が求める「100%」のプレーを展開し、V1トップチームを追い詰めたが、ベスト4進出は惜しくも逃した。
■格上V1に完勝!
<皇后杯 2回戦>
ヴィクトリーナ姫路 3-0 埼玉上尾メディックス(12/9)
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JT戦の前日、2回戦でヴィクトリーナ姫路はV1・4位(8勝3敗)の埼玉上尾メディックスと対戦し、“格上”の相手にストレート勝ちした。
この試合でも両エースの井上とモクシーが強打を連発し、2セットを連取した(25-18、25-21)。
さらに第3セットは冒頭から7連続得点して埼玉上尾を大きくリード。そのまま押し切って完勝し、ベスト8進出を決めた(25-15)。
8強のうちV1が7チームで、V2から勝ち上がったのはヴィクトリーナ姫路だけだった。
■白熱の“姉妹対決”
<皇后杯 1回戦>
ヴィクトリーナ姫路 3-0 東海大学(12/8)
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1回戦は、宮部藍梨の妹、宮部愛芽世(あめぜ=日本代表)がキャプテンを務める東海大と戦った。
第1セットは、愛芽世のバックアタックを藍梨がブロックする場面もあり、ヴィクトリーナ姫路が簡単に奪った(25-10)。
しかし第2セットは、愛芽世のスパイクやサービスエースなどで東海大に中盤までリードを許し、セット後半に井上のスパイクなどでようやく突き放した(25-21)。
第3セットはデュースとなり、愛芽是がスパイクを決め続ける東海大に対し、ヴィクトリーナ姫路は、井上・モクシー・田中・藍梨が多彩な攻撃を仕掛け、最後は井上のスパイクで振り切った(30-28)。
試合後、宮部姉妹はネットを挟んで笑顔で握手した。
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皇后杯を終えたヴィクトリーナ姫路はV2リーグ戦に戻り、12月23・24日に、今シーズン初めてホームのヴィクトリーナ・ウインク体育館(姫路市立中央体育館)で試合を行う(23日:千葉戦、24日:仙台戦)。
(浮田信明)