■Vに続くしかない
国内ラグビーの最高峰「リーグワン」1部(division1)のコベルコ神戸スティーラーズ(旧称:神戸製鋼)が12月1日、記者会見を行い、9日に開幕するリーグワン3シーズン目への抱負を語った。
スティーラーズは昨シーズン、旧リーグを含めて過去最低の9位で終わり、「悪夢のようなシーズン」(福本正幸チームディレクター)となった。
1日の会見では、冒頭に福本氏が「8月から3カ月間、デイブ・レニー新ヘッドコーチのもと、みっちりと選手たちは鍛え上げられ、本来の力が戻ってきた」とあいさつ。
今シーズンから指揮を執るレニー・ヘッドコーチは「チームは、自分たちが変わりたいという気持ちでハードワークに取り組んだ。開幕に向けて準備はできている」と語った。
また共同キャプテンを務める山下楽平(31歳=ウイング)は、「目標は優勝です。そこしか見ていない」と宣言した。
山下は、プロ野球・阪神とオリックス、サッカー・J1ヴィッセル神戸の一連の優勝について報道陣から問われると、「続いていくしかない。流れができているので」と答えていた。
■最強NZコンビが加入
新戦力としてニュージーランド「オールブラックス」からスティーラーズに加入したブロディ・レタリック(32歳=ロック)と、アーディー・サべア(30歳=No.8)の2選手も1日、記者会見した。
レタリックは身長204㎝・体重121㎏の巨漢選手。
NZ代表として109キャップを獲得し、2014年には国際統括団体「ワールドラグビー」の年間最優秀選手に選ばれた。
スティーラーズには2年ぶりの復帰で、今回は山下楽平と共に共同キャプテンを務める。
会見でレタリックは、「チームの若い選手が成長し、ようやく芽が出て花開こうとしている。スティーラーズのラグビーはとても自由なスタイル。その中で“オレのラグビー”をやりたい」と意気込みを見せた。
一方のサベアは身長190㎝・体重99㎏で、NZ代表キャップは81。
今年のワールドカップで活躍し、ワールドラグビーの年間最優秀選手に選ばれた。
初来日となるサベアは、「(日本で)どれだけのことができるか楽しみだ。スティーラーズをトップに連れていく一翼を担いたい。攻守ともに自分の強みの激しいプレーと、スマートさも見てほしい」と語った。
■16試合を戦いPOへ
リーグワン1部は12チームで構成され、2つのカンファレンス(グループ)に分かれる。
レギュラーシーズンは、同一グループのチームと2試合ずつ、他グループのチームと1試合ずつの計16試合を戦い、上位4チームが来春のプレーオフトーナメントで優勝を争う。
スティーラーズは、リーグワン初年は7位、昨シーズン9位と、新リーグになって2年間、プレーオフに進出できていない。
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コベルコ神戸スティーラーズは12月9日(土)、ホーム・ノエビアスタジアム神戸に三重ホンダヒートを迎えて開幕戦を行う(正午開始)。
“日本一”7連覇を達成した名門チームが、復活への第一歩を踏み出すか。
(浮田信明)