「ルミナリエどう変わる?」神戸ルミナリエが初の1月開催!記者が解説

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6434人が犠牲となった阪神淡路大震災から来年1月17日で丸29年を迎えます。

この時期になると、各地で追悼行事の準備が始まりますが、ことしは、「神戸ルミナリエ」がこれまでと少し形を変えて開催されることが決まっています。

コロナ禍もありましたが次回のルミナリエは4年ぶりの通常開催となります。コロナで外に出にくかったけどルミナリエもようやく戻ってくるんですね。
まずは、神戸ルミナリエの歴史をVTRで振り返ります。

阪神淡路大震災から11カ月後の1995年12月。

亡くなった方への追悼の祈りや、神戸の街の復興を願って、多くの企業の協賛によって、最初の神戸ルミナリエが開催され、11日間でおよそ250万人の来場者を記録しました。当初は、継続開催の予定はなかったということですが、復興が遅れていた観光産業の回復を望む企業だけでなく、多くの市民からの声を受けて、継続が決まりました。

東日本大震災が発生した2011年には、開催趣旨に、神戸から復興支援のエールを送る意味を加え、東北の被災地復興への募金も呼び掛けられました。

2020年からの3年間は、新型コロナウイルスの感染拡大により中止を余儀なくされましたが、これまでの作品を市内に展示する代替イベントが開かれてきました。

そして、次回の第29回は、4年ぶりの本格開催となるのですが、コロナ禍前とは、異なる点がいくつかあります。まず、開催時期です。これまでは12月に開かれていましたが、次回は、初めて1月の開催となります。
これは、震災の慰霊と鎮魂、復興・再生への夢と希望」という開催当初の趣旨に照らし合わせたということです。

阪神淡路大震災の発生日で、多くの追悼式典が営まれる1月17日の2日後、次回のルミナリエは1月19日から28日までの予定です。開催日数は4年前と同じ10日間となります。そして、大きく変わるのが、開催場所です。
これまでは旧居留地の光の回廊をくぐった先、東遊園地に作品が集約されていましたが、今回は東遊園地、旧居留地、そしてあらたにメリケンパークと、会場を大きく3カ所にわけて展示されます。

そして、もっとも大きな変更点が、有料エリアの導入です。では、なぜ今回展示を分散するか、という部分については、ルミナリエの運営経費が関係しています。こちらは2019年のルミナリエの開催にかかった費用と内訳を円グラフにしたものです。

総支出が5億2200万円。
費用の中で最も大きな割合を占めるのが、作品制作費ですが、それに次いで費用がかかっているのはなんだと思いますか。

実は、300万人以上の来場者を誘導するための、警備費なんです。
その費用が、2019年は1億3900万円と、全体のおよそ4分の1を占めています。

組織委員会は、この警備負担を減らすため、今回初めて、東遊園地、旧居留地、メリケンパークと、展示会場を3つに分散することにしました。これにより、警備費用がおよそ3割減となり、1億円を下回るくらいになるのではと見込まれています。

ことしは作品制作費も資材高騰による物価高や、イタリアからの輸送費も高くなっているということで、例年通りの見通しよりも、費用が掛かることが明らかだということです。

さらに、ルミナリエは市や県の補助金以上に、企業協賛や募金が主な収入源で、それでも単年度の収支はなんとか黒字、という現状ですので、警備負担を減らせることは大きいと言えます。

そして、もうひとつの大きな変更点が、初めての有料エリアの導入です。ルミナリエと言えば、特に週末は大変な混雑になりますよね。よりゆっくりと作品を見てもらおうと、メリケンパークの会場が有料エリアとなります。

展示されるのが、こちらです。

この、フロントーネ・ガレリアは幅40メートル、高さ15メートル、そして長さが70メートルの作品です。これまでの光の回廊を思わせるような作品ですね。そして、このフロントーネ・ガレリアが展示されている有料エリアに入るには、チケットが必要です。

チケットはすでに発売が始まっています。
前売りで500円、空き枠があれば当日1000円でも販売するということですが、組織委員会は前売りでの購入を呼び掛けています。
また、あすからは16人以上の団体向けのチケットも1枚400円で販売されます。

これは、1時間ごとに区切った指定時間内で入場ができるチケットで、1つの時間枠に対し、最大5000人が購入できます。販売は神戸ルミナリエの公式サイトにリンクのあるローチケ、もしくはローソン、ミニストップの店頭に設置されたロッピーからも購入ができます。

ゆっくりと作品を見られるのはメリット。
チケットを購入することで、これまでの募金のように継続開催を応援できるんですね。

来年で震災から29年、再来年には震災から30年を迎えます。組織委員会は、今回の開催を「30年に向けた模索の年だ」と話しています。

震災30年以降、どのような開催形式になるのかはまだまだ未定の部分もありますが、教訓や経験の風化を防ぐための行事を続けていくためにも、ただ美しい作品を見るだけでなく、ルミナリエの開催に込められた思いを感じて、楽しんでいただければと思います。

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