■完走率96%
神戸マラソン2023が11月19日、行われた。
招待選手や市民ら2万366人のランナーが午前9時に神戸市役所前をスタート。
解禁された沿道応援を受けながら西へ走った。
須磨から国道2号線を走り、西舞子で折り返したあと、兵庫津やハーバーランドを経てポートアイランドのフィニッシュまで42.195㎞のコースを駆け抜けた。
完走者は1万9579人(完走率96.1%)
サンテレビでは午前8時30分から午後4時15分まで生中継し、最終ランナーのフィニッシュまで伝えた。
■勝負のラスト7㎞
男子レースは、10㎞までに外国勢の争いとなり、復路の塩屋付近(25㎞過ぎ)でバーナバ・キプコエチ(ケニア)とアヤブ・ダルダル(モロッコ)の一騎打ちに。
兵庫津(35㎞)付近でキプコエチがスパートした。
橋本航介アナ(先頭車実況):
「キプコエチはきのう、(取材に対して)『ラスト7キロが勝負だな』と……。まさにそのラスト7キロ、35キロでスパートをかけてきました。かなり2位のアヤブ・ダルダルの姿が小さく見えるようになってきました」
キプコエチは2時間11分09秒で初優勝。
2位には終盤追い上げたティム・ヴィンセント(オーストラリア)が入った。
日本人トップは横田佳介(コモディイイダ)の6位。
■神戸を走る夢
女子レースは、初出場で神戸市出身の堀江美里(シスメックス)と、“最強市民ランナー”山口遥(AC・KITA)が争ったが、30㎞を越えて堀江が抜け出した。
フィニッシュめざして神戸大橋を走る堀江について、ノーリツ時代の先輩、小﨑(おざき)まりさん(ノーリツ女子陸上競技部ヘッドコーチ兼選手)がサンテレビスタジオで解説した。
「彼女には神戸マラソンをしっかり走りたいという夢があった。競技に対しては誰よりもストイックで、休みも含めて全て陸上に費やす選手です」
堀江は2時間33分04秒で初優勝し、山口は2位に入った。
優勝インタビューで、堀江は小﨑さんと言葉を交わした。
小﨑さん「お疲れ様です。よかった!」
堀江「よかったです。ホッとしました」
最後に堀江は、「次のマラソンへ向けて、冬に走り込んで自己ベストを出したい」と決意を語った。
■「父が心配…」
神戸マラソンを親子3代で一緒に走った市民ランナー・石飛(いしとび)さん一家=トライアスロンで優勝多数の肇さん(69)、息子の裕也さん(41)、孫の大学生・菜々美さん(21)=に中継チームが密着した。
*4㎞(長田区・西市民病院付近)
菜々美さん「案外、つらくないです。(父は)しんどそうです(笑)」
肇さん「(ペースが遅いので)逆にしんどいですけど、2人のために頑張ります!」
*9㎞(須磨区・天神橋)
(裕也さんは減量に失敗したという)
裕也さん「(荒い息を吐きながら)頑張ります」
菜々美さん「(父が)心配ですね」
*19㎞(垂水区・国道2号線)
菜々美さん「(友達や知人の応援に)とっても嬉しいです」
裕也さん「しんどなってきましたけど、頑張ります」
(裕也さんに沿道から『石飛!』と声がかかり『ありがとう!』と答える)
■がんばれの一言で
*40㎞(神戸大橋)
(神戸港を眺めながら3人で歩く)
裕也さん「景色が最高です!」
肇さん「パパ、よく頑張ってくれました」
*フィニッシュ
(6時間43分46秒でゴールイン)
肇さん「3人一緒に歓喜のゴールとなりました」
裕也さん「20キロ越えてしんどくなったんですけど、サポートランナーさん、親父、娘の背中を見ながら走ることができました」
菜々美さん「しんどい時もあったんですけど、『がんばれー』という一言ですごく頑張れました。(父の姿は)かっこ良かったです(笑)」
■感謝、感謝…
スタートからまもなく7時間。
締め切りの午後4時寸前、最後の男性ランナーが、大会ゲスト・金哲彦さんに励まされながらフィニッシュした。
「助けてもらって間に合いました。全部のゲートがギリギリだったので、もう無理かなと思ってたんですけど…。人に助けてもらう感謝を感じられた。参加してよかったです」。
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カメラ18台。中継地点12個所。サンテレビスタッフ、制作プロダクション、応援スタッフ計100人が総力を挙げた7時間45分の中継だった。
神戸マラソン2023はユーチューブのサンテレビチャンネルで視聴できる。
(浮田信明)