「最終報告書に書けなかった内容も」洲本市のふるさと納税問題 第三者調査委員会の元委員が語る

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  • 関西学院大学 上村教授

  • 第三者調査委員会から問題を指摘された返礼品のおせち

  • 最終報告書の提出

ふるさと納税の業務で、違法、または不適切な事務処理があり、350を超える返礼品に違反が見つかった洲本市についてです。市の第三者調査委員会の元委員がサンテレビの取材に応じ、最終報告書には書いていない今後も追及するべき問題点があると語りました。

関西学院大学経済学部の上村敏之教授。2023年9月までの1年間、洲本市のふるさと納税問題の第三者調査委員会の委員長職務代理者を務めました。

「これはもう総務省の基準から見ると違反だらけです。これを見た時は愕然としました。任期は1年間だけども3月初旬にはあげてください。終わってくださいと言われていました。でもはっきり言って終われませんでした。あまりにも問題が多すぎるわけです」

基準を超える高額な温泉利用券を返礼品として寄付者に送り、制度の対象から2年間除外されている洲本市。当初は温泉利用券だけの問題を調査するはずでしたが、ギフトカードをおまけで配っていたことや返礼品であるはずのおせちを市民や業者などに無料でばらまくなど、次々と新たな問題が発覚しました。

「私たち第三者委員会の4人だけではこの問題ははっきり言うと限界があったんです。議員さんにもきっちり調べていただいて市民にも伝えてもらうことが重要だったと思います」

兵庫県ではどうなのか?

2023年9月にまとめた最終報告書には、市の職員が違法または不適切な事務処理を行っていたことや、市に対する28の提言などが記されています。一方、ヒアリングをしても報告書には書いていないさらなる追及が必要な内容も残されているそうです。

「最終報告書は基本的にグレーゾーンのことは書けないんですよね。つまり第三者委員会に入って100%確実にこうだろうと思うことしか書いていません。グレーゾーンで8割方そうであろうと思うこともたくさんありました。たくさんありましたけども、それについては書けなかったということです。現在出した最終報告書で、ある程度問題提起はかなりできているんじゃないかと思います。ここからは百条委員会なり、他の手段によって明らかになると思っています」

上村教授は、強い調査権限を持つ百条委員会に期待する一方で、市に対しても温泉利用券などの発行禁止や不適切な参加事業者の処分規定をつくるなど最終報告書に掲げた28の提言を実行するよう求めています。

「市の当局とヒアリングをしながらあの28の提言がつくられているんです。なので完全に荒唐無稽で絵に描いた餅になっていないんです。つまり彼らはできるだろうとその時点ではしたわけです。
なのでやっていただくのが筋かと思います」

上村教授は洲本市議会に関しても
「議会の行政監視機能がちゃんと機能していなかった。今の洲本市議会はきっちり情報を提供していない。過去の市議会の動画もホームページで見られなくなっている。過去にさかのぼって検証するならばきっちりと市民に情報提供するのが議会のあるべき姿。こういう議会にしたのは市民の責任だということを考えないといけない」と指摘しています。

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