国道2号・姫路バイパスの「姫路サービスエリア」で長年問題となっていた「相乗り」。自分の車を駐車スペースに止め、そのまま他の人の車に乗り、仕事などに出掛ける行為です。
道路を管理する国土交通省姫路河川国道事務所によりますと、「相乗り」は15年ほど前から相次いでいて、100台ほどある乗用車の駐車スペースに、多い時で70台を超える車が6時間以上にわたって止められていたといいます。
この日、仕事で相乗りをしたという男性は-
「きょうだけね。ホンマに。たまたま『ここがいい』みたいな感じやったから」
別の男性は-
「みんな(便利だから)止めてるんとちゃいます?」
姫路サービスエリアで「相乗り」が相次いだ理由。それは、バイパスの上下線どちらからもサービスエリアへ進入ができる他、一般道からも利用ができたことにありました。
長時間にわたって止めていた車のうち、およそ3割が一般道からの利用だったといい、これを受け、姫路河川国道事務所は9月、一般道からの進入を禁止する工事を実施。
翌朝の取材では、駐車スペースの6割近くは埋まっていましたが、「相乗り」は確認されませんでした。
あれからおよそ1カ月。「相乗り」はどうなっているのでしょうか。明るくなってからの2時間を調べてみました。
午前6時過ぎ。駐車スペースにはすでに多くの車が止まっていました。
車内には人の姿が…。どうやら休憩のために立ち寄っているようです。
と、その時、調査員が確認のため車のもとへと向かいます。どうやら「相乗り」があったようです。状況を詳しく聞いてみると…。
【調査員】
「6時26分ぐらいに来て、1分以内ぐらいですぐ出ていった。
同じような時間の待ち合わせだったと思う」
調査員によると、止めてあった車の前に1台の車が停車。すぐに男性が乗り込み、走り去ったといいます。その時間、わずか10秒ほど。
相乗りをしたとみられる男性は私たちが取材をしている間、車に戻ってくることはありませんでした。
その後、車は出たり入ったりを繰り返しますが、「相乗り」は確認できません。
普段からサービスエリアを利用する人も―
「よう空いたわ。乗用車なんかでもみな乗っとるしな。乗っとらん車はようけないし。
この前来た時は1週間前やったけども、昼入ったけど、よう空いたなぁと思って見た」
時刻は、午前8時過ぎ。番組スタッフは「相乗り」の現場を目撃しました。
高齢の男性が運転するワゴン車の隣に、1台の軽自動車が止まります。軽自動車からは高齢の女性が降りてきました。
ワゴン車の後部座席のドアが開きます。女性が荷物を乗せているのでしょうか。
そして、助手席側のドアが閉まりました。車が駐車スペースを出ます。
車には男性の他に、助手席に女性の姿が…。車はそのまま走り去っていきました。
女性が乗ってきた軽自動車へ向かうと、運転席に女性の姿はありませんでした。
結局、この日は、朝の2時間で2件の相乗りがありました。
一般道からの進入が禁止となり、明らかに数が減った姫路サービスエリアでの「相乗り」。
姫路河川国道事務所は今後も調査を続け、利用状況について、年内をめどに公表するとしています。