自殺とパワハラの因果関係について、裁判所はどう判断するのでしょうか?
兵庫県警の機動隊に所属していた男性巡査が自殺したのは先輩や上司からのパワハラが原因だとして、両親が県に損害賠償を求めている裁判の控訴審が大阪高等裁判所で開かれ、上司だった男性が証人として出廷しました。
13日午後、大阪高裁を訪れた木戸一仁(75)と妻の久美子さん(61)。
一仁さんはきょうの裁判にかける特別な思いを語りました。
一仁さんの息子で、兵庫県警の機動隊に所属していた木戸大地巡査。2015年10月、神戸市須磨区にある機動隊の独身寮で自ら命を絶ちました。
24歳の若さでした。
遺書には…両親は、大地さんが自殺したのは所属していた機動隊で先輩や上司から受けたパワハラなどが原因だとして、2017年、兵庫県に対しおよそ8000万円の損害賠償を求め提訴。
神戸地裁はパワハラ行為を認め、県に慰謝料100万円の支払いを命じましたが、自殺との因果関係はなかったと結論付けました。
その後、両親と県の双方は、大阪高裁に控訴。
きょう、大地さんの上司だった男性が証人として初めて出廷し、「パワハラとは思わない」「叱責があったとされることについては記憶にない」と述べました。