■全日本女子硬式野球選手権 決勝
阪神タイガースWomen 4-0 埼玉西武ライオンズ・レディース/10月11日
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女子野球の国内最大の大会「第19回全日本女子硬式野球選手権大会」の決勝戦(7イニング制)が10月11日、行われ、NPB傘下チーム同士の戦いとなった。
タイガースは3連投の右腕・森若菜(24歳 奈良県出身 福知山成美高)が先発。
5回、ライオンズは二死3塁から、1番・清水優花が左中間にヒット性の当たりを放ったが、タイガースのレフト・前田桜茄(はるか)が俊足を飛ばしてキャッチ。先制を許さなかった。
6回、タイガースは1番・キャプテン三浦伊織と、3番・田口真奈のヒットなどで一死満塁のチャンスをつかみ、5番・ルーキー安藤蓮姫(はずき)のタイムリーで2点を先制。
最終7回にも2点を追加した。
その裏、森は一死からランナーを許したが、続く2者を連続三振に切って取り、タイガースが悲願の初優勝を果たした。
大会MVPは森が獲得した。
■大ピンチ救った熱投
森は最速128キロの速球と緩急をつけた投球術でタイガースを優勝に導いた。
10月7日の1回戦(vsクラーク記念国際高 仙台キャンパス)では抑えとして1イニング登板。
9日の準々決勝(vsアサヒトラスト)には先発し、初回に2点を失ったが、その後は立ち直り4イニングを無得点に抑えた。
翌10日の準決勝(vs大阪体育大)では5-5の7回ウラ、一死満塁の大ピンチに登場。
ヒットでも四死球でもサヨナラ負けとなる場面で、後続をセンターフライとショートゴロに取り、タイガースを救った。
そして3連投の決勝は完封勝ちし、大会の主役を務めた。
森は、「決勝戦、先発任されてすごく緊張してました。1点もやらないという気持ちで投げ切りました。野手の皆が必死に点数取る姿を見て、今持ってる力を全部出して0点で抑えてやる、という気持ちがボールにしっかり伝わったかなと思います」とコメントした。
■“兄チーム”とダブルV
阪神タイガースWomenは、阪神球団が運営するクラブチームで、設立から3年目。
選手は仕事や学業と両立させながら野球に取り組んでいる。
昨年、クラブチームだけの大会「全日本女子硬式クラブ野球選手権」に優勝し、初の全国タイトルを獲得したが、全日本選手権は2年連続で優勝を逃していた。
“兄チーム”阪神タイガースはことし18年ぶりのリーグ制覇。
“妹チーム”を率いる上本博紀監督は、「選手たちは、女子野球界にとって宝物のような存在だと思うので、不器用な部分もありますが、頑張っていますので、引き続き応援してもらいたいです」とコメントした。
優勝候補とみられていた読売ジャイアンツ女子チームは2回戦で敗退したが、
これからもNPB傘下の3チーム~タイガース、ジャイアンツ、ライオンズが女子野球を盛り上げそうだ。
(浮田信明)