2017年、神戸市北区で祖父母ら5人を殺傷したとして殺人などの罪に問われ、無罪判決が確定した男性について、神戸地裁が医療観察法に基づき専門的な治療を受けさせるための鑑定入院を命じたことが分かりました。
32歳の無職の男性は、2017年7月、神戸市北区で同居する祖父母(当時83)と近くに住む女性(当時79)を包丁で刺すなどし殺害した他、母親(57)ら2人に重傷を負わせたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われました。
大阪高裁は先月25日の判決で、「心神喪失だったことを容易に否定することができない」とし、一審の神戸地裁に続き無罪を言い渡しました。期限の10月10日までに検察側が上告しなかったため、男性の無罪判決が確定。
大阪高検の小弓場文彦次席検事は、「判決内容を十分に検討したが、適法な上告理由が見いだせなかった」とコメントを出しています。
これを受け、神戸地検は12日、医療観察法に基づき、専門的な医療措置を求める手続きを神戸地裁に申し立て、神戸地裁が男性に対し、鑑定入院を命じたことが分かりました。
男性はすでに医療機関に入院しているとみられ、今後、精神状態などを調べた上で、処遇が決められるということです。