テレビ番組を作る警察官たち 「こんにちは県警です」50周年!

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犯罪を未然に防ぎ県民の暮らしを守るため、1万2000人の警察官が勤務する兵庫県警。多岐にわたる警察業務をテレビを通じて紹介しているのが、毎月第一土曜日の午前8時半からサンテレビで放送している「こんにちは県警です」。

警察の取り組みや特殊詐欺被害の防止といった、暮らしの中に潜む危険から身を守るためのアドバイスなどを伝えています。そんな「こんにちは県警です」が、10月、放送開始50年を迎えました。

番組を作っているのは兵庫県警県民広報課に所属する3人。全員が現役の警察官です。

ことし4月から18代目のキャスターを務めている、福本修平警部補(34)です。

【福本修平警部補】
「やっぱり慣れないなっていうのが率直な感想ですね。カメラに向かってしゃべるというのが、どんな顔してたらいいのかなと。その辺が慣れないところはありますね。いまだに手探りな感じですね」

主に撮影と編集を担当するのが、勤続16年目の前田壮志巡査部長(43)。異動するまで編集機材は触ったことはありませんでした。

【前田壮志巡査部長】
「『1週間後に(異動)』って言われて、最初は冗談だと思ったんです。言われたときに『またまた』と。
前任の担当者と一緒に1カ月間、業務を覚えながら仕事するという流れなんですけど、編集の機械を見て『えらいとこ来てもうた』っていう」

サブキャスターを務めるのが、川嶋桃奈巡査長(24)。

【川嶋桃奈巡査長】
「今までは交番勤務だけしかしたことないです。捜査書類くらいで原稿なんか全然書いたことなかったです。ようやく、ちょっと慣れてきたんですけど、カメラの前でしゃべるのは緊張します」

番組制作のすべてを3人で行っています。この日の取材テーマは「女性警察官」。事件現場で指紋の採取などを行う鑑識課を訪れました。

【男性警察官】
「カメラ越しに(粉を)振ったら、指紋がばっと出るような感じで撮ったらどうかな」
【福本警部補】
「いいですね」
【女性警察官】
「(指紋)出ます?出なかったらめっちゃ格好悪くないですか。あかんかったら撮り直してください」

警察の活動を伝えるため、業務の合間を縫って取材に応じてもらいます。

事前の質問に基づいてインタビューも行います。

【福本警部補】
「僕が質問して、ちょっと間を置いてからしゃべりだしてもらったら助かります。何回でもできますので。じゃあ、『鑑識を希望した理由って何ですか?』」
【鑑識課 山内舞巡査部長】
「被害者の方の話を聞きながらさまざまな作業をする鑑識係は、特に女性が必要とされている係だと思って、鑑識がか…りを希望しました。…かんだ!」
【福本警部補】
「もう一回いきます?全然気にならなかったですけど。…納得いくまでやりましょう」

警察の仕事を分かりやすく、親しみを持ってもらえうようにと撮影を重ねます。

【山内巡査部長】
「緊張しました。いい経験になりました」
【福本警部補】
「いや、僕も慣れてないので。僕でも大変なので。
大変だと思います。上手にやっていただいて助かりました」

番組がスタートしたのは、1973年の10月1日。当時は情報番組の中で5分間のコーナーとして放送していました。その5年後、15分の独立番組に。

変わらないのは、「警察官の手作り」というこだわりです。46ある警察署の紹介や施策の取材で、県内を駆け回ってきました。

この日は、川西署が参加した地域の防災イベントに訪れました。取材先では思わぬ出会いもあります。

【前田巡査部長】
「(警察学校時代の)教官です。担当教官」
【川西警察署 東尾浩二警視】
「すごいなぁ。なんかうれしいわ、こんな子が生まれてくるとは」

そして、あす7日放送予定の回のスタジオ収録が行われました。

【川嶋巡査長】
「とっても緊張してます。ちょっといつもと違うので。
私も出る時間がいつもより長いので、ちゃんとかまずに読めるか心配です」

50年という歴史を重ねても、番組が伝えたい思いは変わりません。

【前田巡査部長】
「まだまだ紹介しきれていない警察の活動があるので、これからも観ていただけたらと思う」

【福本警部補】
「警察活動が県民の協力で成り立っているというのが、僕は現場で働いていて非常に感じていたことなので。
それがちょっとでも理解が得られるように、番組を通して県警の活動をわかりやすく紹介していけたらと思います」

【番組スタッフ】
「10秒前。9、8、7…」

次の節目に向かって。

【福本警部補・川嶋巡査長】
「『おはようございます』」

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