【記者解説!目撃アノ現場】「止まらない値上げ」市民生活は?

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記者が県内の注目ニュースを解説する「記者解説!目撃アノ現場」。今回は食品の値上げと酒税法の改正、最低賃金の引き上げについてお伝えします。

【藤浦記者】
まずはこちらをご覧ください。ハムやソーセージ、アイスなど、10月から値段が上がった食品です。こちらはほんの一部で、帝国データバンクによりますと、値上げした食品の数は4634品目なんです。

スーパーはメーカーと話し合うなど努力していますが、消費者は値上がりを実感していました。近年、値上げラッシュが止まらない理由を専門家に聞きました。

【内藤証券 北原奈緒美さん】
「ひとつは円安が続いているということ。いろんな食材を日本は海外から輸入しているので、円安だと輸入価格が上昇する。その価格転嫁はひとつの要因としてある。

もうひとつの要因が原油価格の高止まり。原油価格の高騰はガソリン価格にも関係してくるので、食品を運ぶ配送料が上昇するというのが理由のひとつです」

【藤浦記者】
北原さんによりますと、食材を包むトレーやフィルムも原油でできているので値上がりしていて、商品としての値段がさらに上がってしまうということです。

【藤岡キャスター】
ガソリンが上がるということは配送料が上がるということで、10月から日本郵便の「ゆうパック」がおよそ10%ぐらい値上がりしているんですよ。

「2024年問題」でトラックの、運送業界に問題があって、どんどん運送費が上がっていく可能性がある。

【小林祐梨子さん】
買い物しててもね、ひとつのものではなく何でもかんでも箱買いするようになっちゃって。

結果的に食べちゃうんですよね。「あれ、これ得してるんかどっちなんやろう?」っていう感じで、いつも広告の品とにらめっこしてるんですけど。

ガソリンがね…。車社会なので、私の住んでる場所が。かなり痛いですね。

【藤浦記者】
はい。北原さんによりますと「しばらくは値上げが続きそう」ということです。

続いては酒税法の改正についてです。今回、ビールの酒税は1缶350ml当たり6.65円下がります。安さが売りの第三のビールは9.19円上がりました。

値上げ直前の9月末、酒屋にはたくさんの人が駆け込んでいました。

【藤浦記者】
こちらはビール系飲料の税率の推移です。政府はビールも第三のビールも同じような飲み物なので、お酒の税負担を平等にするため段階的に調整を進めています。今回で発泡酒と第三のビールが同じに、2026年に54.25円に統一される予定です。

一方で、食品など物価の上昇とともに兵庫県の最低賃金も引き上げられました。9月までは時給960円でしたが10月から41円上がり、1001円と初めて1000円を超えました。

今回の賃上げをどのように感じているのか街の人に聞きましたが、最低賃金は上がったものの物価上昇の印象が強いなどの声が上がりました。

最低賃金の引き上げと物価の上昇は実際バランスがとれているのでしょうか。

【北原さん】
「食品の値上がり以上に賃金が上がれば一番うれしいけれど、今データを見る限りでは、賃金の上昇率と物価の値上がり率で高いのは物価の方。

物価の上昇に対して賃金の上昇が追い付いていかない、いわゆる実質賃金がマイナスというのが現状。ただ、企業が賃上げに動き出したということは、日本にとっては明るいニュースなんですよ。

-今後国に期待する対策は?
【北原さん】
国も物価高に対応する政策を出してきている。例えば、賃上げをした企業に助成金を出すというような動きも広がって、従業員の賃上げがしやすい環境が構築されてくると、賃上げと消費両方がうまくお金の流れとしてまわっていくんじゃないかと思う」

【藤浦記者】
北原さんは「企業はこれまでコストを抑えるなどして商品の価格を維持していましたが、値上げや賃上げをしやすい社会になってきているということで、お金を使う動きがこれから出てくるのではないか」と話していました。

 

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