2017年、神戸市北区で祖父母ら5人を殺傷したとして殺人などの罪に問われた男性に対し、大阪高等裁判所は、心神喪失の疑いで無罪とした一審判決を支持し、検察側の控訴を棄却しました。
この裁判は2017年7月、神戸市北区で同居する祖父母(当時83)と近くに住む女性(当時79)を包丁で刺すなどし殺害した他、母親(57)ら2人に重傷を負わせたとして、32歳の無職の男性が殺人や殺人未遂などの罪に問われたものです。
一審の神戸地裁の裁判員裁判ではおととし11月、「男性は当時、精神疾患の影響で心神喪失状態だった疑いが残る」として無罪が言い渡され、神戸地検が、重大な事実誤認があるとして控訴していました。
25日の判決で、大阪高裁の坪井祐子裁判長は、男性は、人ではない「哲学的ゾンビ」を倒して、知人女性と結婚するという妄想を確信していたとして、「心神喪失だったことを容易に否定することができない」と指摘。
一審の判決を支持し、検察側の控訴を棄却しました。