11人が犠牲となった明石歩道橋事故を記録した書籍が6日、第26回日本自費出版文化賞の部門賞に選ばれました。
書籍のタイトルは「明石歩道橋事故再発防止を願って」。
事故の教訓を風化させないよう、遺族らが執筆しました。
日本自費出版文化賞は優れた自費出版本を発掘しようと25年前に始まったもので、今回は全国から658の作品がエントリー。
この中で「明石歩道橋事故再発防止を願って」は、部門賞(地域文化部門)を受賞したということです。
事故は2001年7月、明石市にあるJR朝霧駅南側の歩道橋内で発生しました。
花火大会の直後に群衆なだれが起こり、子どもやお年寄り11人が死亡、247人が負傷しました。
書籍は事故から21年となる去年7月に出版され、事故の真相究明に奔走してきた遺族と弁護団の闘いが記録されているほか、遺族が寄せた手記など、再発防止への思いが綴られています。
今回の受賞を受け、事故で母親を亡くした白井義道さん(63)は、「多くの方に本を手に取っていただく機会となり、雑踏事故の安全意識を高めての再発防止への一助となることから、主催者には心より感謝している」としています。