アスベストによる中皮腫で死亡した兵庫県内の男性への国からの給付金の受給を本人と一部の親族に限ることは不当だとして、男性のめいら3人が国を提訴しました。
訴えによりますと、県内で電気工事業に従事していた男性は、工事現場でアスベストを吸い、2020年、中皮腫を発症して78歳で死亡し、労災認定されました。
男性の兄は国に遺族給付金の申請をしていましたが、国側の手続きに時間がかかり、2022年、支給の決定前に亡くなりました。
給付金の申請は本人と配偶者や子ども、それにきょうだいなどに限られていて、男性の親族には請求できる人がいなくなり、申請は無効となりました。
男性の兄の妻や、めいら3人は、受給対象を限定することや、手続きの遅れで権利が消滅するのは不当だとして、国に対しおよそ1400万円の支払いを求めて神戸地裁に提訴しました。
弁護団によりますと、同様のケースで訴えを起こすのは全国で初めてだということです。